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その気持ちの名前は

碧人は要に抱えられ、森の中に戻り、洞窟に入った。 「ここが俺の住み処」 洞窟の奥には藁が敷き詰めてあり、柔らかそうだ。要は痛くないようにと村から持ってきたのであろう白い布を藁の上に敷き、そこに碧人を横たわらせた。 「まだ熱い?」 「うん…まだ火照ってるみたい…」 碧人は熱いあまり、着物の襟元を緩めた。 本当は脱いでしまいたいぐらいだが、要がいるので、それもできない。 「碧人…」 要は碧人の首筋を撫でる。その何気ない仕草なのに、碧人の体は反応した。 「っあ!」 「碧人?」 何てことだろう…少し触られただけで、勃ってしまった。(ふんどし)の中でむくむくと勃ちあがっている。 (ど、どうなってるんだ…?体が火照って、むずむずする…) 「碧人…興奮してる?」 「ち、違…」 「俺は興奮してる…ほら」 碧人の手を取り、要は自分の股間に触れさせる。 碧人はぎょっとした。自分よりも大きなものがズボンの中で膨らんでいる。 「な、何で…」 「碧人と口づけしてから、碧人のことを考えるとこうなる…。こんなこと初めてなんだ。この気持ち、人間の言葉で何て言うの?」 「そ、それは…」 自分が言うのもおこがましく、なかなか言葉に出せない。 「碧人、教えて…」 碧人は顔を真っ赤にして、要を直視できない。 顔を背けると、要はムッとして「無視した」と言い始めた。 そのまま、碧人の足の間に割って入り、褌を外した。碧人の一物はしっかり勃ちあがっていた。 「ちょ…っ!要!!」 「皮被ってる。剥いてあげる」 「待って…!あ…っ痛…!」 「我慢して」 碧人の一物の皮を剥くと、先走りがチョロチョロと出てきた。 「要…なんか意地悪だ…」 「碧人が教えてくれないから。教えてくれるまで、こうする」 要は碧人の一物を口に含み、吸い上げた。 「…あぁぁ!!」 感じたことのない快感が、身体中を走り抜けた。 「出していいよ。俺の口に」 「あぁ…喋らないでぇ…!ん…ひぅ…!」 執拗に要は口の中で舌を使い、舐め回す。 「あ…や、イく…イっちゃう…!……っんうぅ!!」 碧人は背中を反らせて、要の口の中で果てた。 要はごくりとそれを飲み込んだ。 「う、そ…飲んだ…?」 「碧人のなら、飲める」 要の真っ直ぐな瞳は、熱く碧人を貫く。 それに耐えられず、また碧人は目を反らした。 「また無視した」と要はムッとした。 「恋だよ」 碧人は目を反らしながら、答えた。 自分の中にも芽生えているものだ。 でも、それを相手に言うのは恥ずかしい。けど、教えないと要はそれ以上のことをしそうだ。 「多分、その気持ちは、『恋』だと思う」 碧人は赤くなりながら、伏し目がちに答えた。 要は「恋…恋…」と何度か呟き、にこりと笑いながら、「覚えた」と言った。 「恋したら、人間は何をするの?」 「え…っと、口づけしたり、どこかに出掛けたり、それから…その、それ以上のことをしたり…」 碧人は誰とも付き合ったことがないから、本や人から聞いたことしか伝えられない。 「それ以上?」 「…っ体の関係を持つってこと!」 碧人は真っ赤になりながら、答えた。体は火照っているし、熱くてどうにかなりそうだ。 「あぁ、交尾のことか」 さらっと要が答えた言葉に、さらに碧人は熱くなった。 「こ、交尾って…」 動物的で、即物的で、野生的で…碧人は自分が本物の獣になったような、なんだかいやらしい気持ちになった。 「碧人と、交尾したい」 要は碧人の太ももに自分の怒張したものを押し付けた。

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