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第4話

 力強い瞳が睨みつける。  どうやら魔王とは気が付いていないようだ。  意識が朦朧としていて目が霞んでいるのだろう。 「大人しくせい。傷を治してやる」 「……あんた、何者だ……」  威勢よく首に刃を突き付けたその腕はすぐに力を失くして床に転がる。  そんな簡単に警戒を解けば魔物の餌食になってしまっても文句は言えないなと呆れながらも傷に手を当てた。 「っ……」  痛みに歪む顔が何とも堪らない。  人間とは痛みに何と弱い生き物だろうか。  もっと痛め付けたくなるではないか。 「勇者ならば我慢しろ」 「っ……。なんでそれをっ……」

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