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第6話 魔法学校入学(6)
***
「見つけた」
ずっと待っていた。
小さく呟いた声に、エミールが反応した。
「え、どこに?」
俺の隣に立っていたエミールが身を乗り出しながら、下に並んでいるお子様たちを見下ろす。
「一番後ろ」
他のお子様たちよりも、頭一つ大きい。
薄い茶色の髪をツンツンと跳ねさせているのは、そういうくせ毛なのかもしれない。
肌が青白く見えるのは、緊張しているせいか。
「あれ、あんな髪の色だったっけ?」
「いや、白金の髪だった。」
「だよなぁ……別人じゃないのか?」
でも、俺にはわかるのだ。
「……いや、俺にはわかる。」
不安そうに前を向いている。
今感じてるだろう不安を取り除いてやれたらいいのに。
その時、ふいに目があった。
金色の大きな瞳。
そうだ。たとえ髪の色が違っていても、忘れるはずがない。
あの金色の瞳のことを。
こんなにも俺のハートは叫んでいる。
俺の運命の相手だ!と。
「レヴィ」
エミールが再び声をかけてきた。
「なんだ。」
俺は目を離したくなかったけれど、エミールの声がいつになく真剣だったのに気づいて、振り向いた。
「ハザールのところの跡取りも来てる。」
そう言うと、前のほうに立っていた金髪のクリクリ頭を指さした。
「猫ヤロウも、入学してきたのか。」
思わず舌打ちしたくなる。
「面倒なヤツが入ってきたな。」
「とりあえず、気を付けるしかないか。」
ぼそぼそとエミールと話してた時。
『ノア・アシュレー』
名前を呼ばれて、小さく返事をした。
ガチガチに緊張しているのが、離れていてもわかる。
「……そういえば、アシュレー老のお孫さんだったな。」
「ああ……あの方も苦労して……」
俺たちは、言葉少なに、彼の後ろ姿を見つめ続けた。
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