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第8話 初めての友達?(2)
食堂への廊下を歩くのも、ある意味、修行のような状態だった。
僕よりもはるかに背の高い、かなりな美男子な二人に挟まれている、年齢のわりにあまり背の無い平凡な僕。
レヴィは白銀の長い髪を一つにまとめ、反対にエミールは漆黒の短めな髪。
二人の共通点は印象的な蒼い瞳。
この二人が親戚関係なのは、白い肌と似たような顔立ち、そしてこの蒼い瞳でわかる。
男女問わずに人気のある二人は、いつも注目の的で、彼らの後に皆が僕を見る失望の眼差しを向けられるのが、一番辛い。
「勉強のほうは、ついていけてる?」
優しい低い声で、いつも話しかけてくれるのは、レヴィのほう。
エミールは、そんな僕らを優しく見守ってる感じ。
「あ、はい……勉強はなんとか……」
この綺麗な人が獣人なのか、と、思うと不思議でならない。
そして、なんで、こんな平凡な僕に声をかけてくれたのかも。
チラリと見上げて見えるレヴィの顔に、いつも目を奪われてしまう。
「そっか、わからないことがあったら、いつでも聞きにおいで。俺か、エミールが教えてあげるから。」
ニッコリと笑いながら、僕の頭を優しく撫でてくれる。
そんな風に触れられることに、少しばかりドキリとしてしまう。
「あ……はい……」
僕は真っ赤になって俯いてしまった。
実際、勉強のほうはなんとかついていけている。
こんなに普通には知られていないことがあったのか、と思うと、面白くもあり、学ぶことが楽しいとすら思う。
だけど……。
「ふんっ、頭でっかちの魔法使いじゃ、使い物にならないでしょうに。」
いきなり背後から、甲高い声が響いてきた。
―――キア・ハザールだ。
僕は、ビクリと身体を震わせて、ゆっくりと振り向こうとした。
「気にするな。」
レヴィが僕の背中に手を回した。
チラッと背後を見るようにしたけれど、そのまま歩き続けるようにと、背中を押す。
「キア・ハザール」
その代わりに、エミールの低い声が響く。
「お前は、まだ幼いから今回は許してやるが……我々の前でノアを侮辱するのは、やめておけ。」
急にエミールの身体の周りから、黒いオーラのようなものが溢れているように感じた。
見えたわけではない。
だけど、『感じる』ことができた。
「っ!?」
キア・ハザールにも、それを感じることができたのか、声にならない叫びをあげると、さっさと逃げていった。
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