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第10話 初めての友達?(4)

 レヴィに実技のことを言われた時、正直、びびってしまった。  僕はキア・ハザールの言う通り『頭でっかち』だということを思い出させるから。  実技には、僕たちはまるで指揮棒のような小さな魔法の杖を使って行う。  みんなは新品の綺麗な杖を持っていたけれど、僕のは少し使い古されたもの。  それでも、もしかしたら、おじいちゃんかおばあちゃんのお古かもしれない、と思ったら、少しだけほっこりした気持ちになった。  だから、その杖を使えば、僕でも本当に魔法使いになれるんじゃないかって思ったのに。  現実は、そう甘くはなかった。  僕以外の子たちは、やすやすと先生に言われたことをこなせるのに、僕はお古の杖を使っても、何もできない。  ちゃんと先生に言われた通りに呪文も唱えてるのに。  うんともすんとも言わない。  ついには、せっかくの杖を折ってしまいたくなるくらいになってしまった。  他の子たちの話を聞くともなしに聞くと、実際、僕以外の子たちは、幼いころから魔法の環境に馴染んでいたらしい。  家でも自分のおもちゃの杖で魔法の初歩的な練習はしてきたのだという。  だから、僕みたいに頭で理解してるわけでもなく、僕が普通に息をしているように、魔法を使うことができるのだ。  先生方は、首をかしげながら、なんとか僕に魔法を使わせようとする。  『 ナレザール・アシュレーと、ソフィア・アシュレーの孫なのに、どうして?』と思いながら。  だから、キア・ハザールの言う通り、僕は『頭でっかち』なんだ。  そして、最近では……僕はおじいちゃんたちが、どこかでもらってきた子なんじゃないか、とまで言い出す奴もいる。  ……確かに、僕は 養護施設から引き取られてきた。  だから、本当に、本当のおじいちゃんたちの孫じゃないのかもしれない。 「……ノア、それ、食わないのか?」  レヴィに声をかけられるまで、僕はぼーっとしてたのか、完全にスプーンを止めたままの状態だった。 「え、あ、食べます、食べます」  僕は慌てて、口の中に流し込んだ。 「慌てなくていい。次の授業まで、まだ時間あるから」  ニコニコと微笑みながら、僕を見つめるレヴィ。  そういえば、この人は杖も使わずに、スプーンを出して見せた。 「あ、あの……」 「ん?」  僕は食事の手を止めて、勇気を出して聞いてみた。 「あのっ、レヴィさんは、どうして杖がなくても魔法が使えるんですか?」
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