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第17話 探索の旅立ち(3)

 今年も新入生が入ってくる季節になった。  すっかり建物の周りは紅葉した木々で覆われて、二年前の頃を思い出す。  僕が入学式に出た時に、レヴィたちが立っていたところに、僕も立っている。  あの頃は、他の新入生たちよりも大きくて、ずっと違和感を感じていたけれど、今は獣人の子たちがすっかり僕と変わらないくらいに大きくなっている。  獣人は大人になる成長スピードが速いのか、人間の子たちよりもずっと大人びて見えるのだ。  あの天使のようだったキア・ハザールですら、すっかり大人びて、美しさにも磨きがかかって……大天使みたいになっている。  そう、僕を物理的にも見下ろすくらいに大きくなっているのだ。  ……単に僕がチビだってことなのかもしれないけれど。  そしてレヴィたちは、僕とは新入生たちを挟んで反対側に立っている。  ああやって、他の学生たちと比べると、あの二人は抜きんでてかっこいいと思う。  立派な体格もさることながら、美しい顔立ちに、新入生の女の子たちなんか、まだ幼いというのに、しっかり釘付けになっている。  女の子たちの様子に、僕は思わず微笑んでしまう。  そんな僕にいち早く気づくのはレヴィで、ニヤッと僕に笑いかける。  そして、再び女の子たちが騒めくのだ。まったく、始末が悪いとは、このことだ。  あんなに綺麗な二人が、獣人の姿になったら、どんなにか美しいんだろう。  ふと、僕は教科書に載っていた獣人の姿を思い出す。  頭部はそれぞれ、犬科なら犬の、猫科なら猫の頭をし、全身毛に覆われながら、人間と同じような格好をしている。  レヴィとエミールは狼だと言っていた。  きっと、すごく美しいんだろうな……。  ボーっとそんなことを考えているうちに、いつの間にか入学式が終わってしまっていた。  僕以外の生徒がぞろぞろと講堂を出て行くのを、慌てて追いかける。  こういう時、声をかけてくれるような友達がいないことを痛感してしまう。  ……仕方がないのかもしれないけど。  先生方の前をササッと通り抜けようとした時。 「あ、ノア・アシュレー!」  校長先生が、僕の名前を呼んだ。

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