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第137話 目覚める白金(19)※
レヴィの言葉通り、身体を彼に委ねていると、大きな掌が僕の身体中を確かめるように撫でていく。時折、微妙に感じるところに指先が触れるたびにピクリピクリと身体が反応してしまい、また高い声が出そうになる。
「んっ、んっ、れ、レヴィ、くすぐったい……ですっ」
「……くすぐったいんじゃなくて、気持ちいいんじゃないのか」
優しく囁く声と同時に、レヴィの指先が僕の胸の先をキュンと摘まんだ。その瞬間、身体中に電気のようなものが走り抜ける。
「あっ!」
思わずビクリと身体を震わせて、思い切りのけ反ると、レヴィの肩に後頭部を預けるように倒れ込む。そのまま何度も摘ままれたり、指先で捏ねられたり、徐々に胸の先はジンジンと熱を帯びていく。
「な、なんか、ジンジンするっ……」
僕の声にレヴィは片手で僕を抱えなおすと、空いている方の手で僕の小ぶりなソレに手を伸ばした。
「フッ、ちゃんと勃ってるな」
耳元を掠めるレヴィの声は、それだけで威力があるみたい。僕のソレに血が集まるのが自分でもわかる。
こんな風になったのは、初めてレヴィと一緒に寝た日の朝。レヴィに身体を触れられた時以来だ。あの時よりもずっと固く勃ちあがってしまっている。
レヴィの掌に容易く包まれた僕のソレは、最初は優しく握りしめられ、ゆっくりと上下に動かされていく。石鹸の泡とともに、ニチュニチュとした水音が浴室に響く。
「あっ、あっ、レヴィ、こ、これ、何っ」
せり上がって来るような何かに、恐怖を感じる僕。それから逃れたくて、レヴィの腕を止めようと、その太い腕を掴もうとした。だけど、掴んだところで僕の力くらいでは止めることは出来ない。
「や、やっ、あ……ああぁぁっ!」
僕のソレから何かが溢れた。
レヴィの腕の中、荒い息を吐きながら、僕のソレに目を向ける。僕が吐き出した何かは、レヴィの泡だらけの掌の中。洗ってもらっていたのに、レヴィの掌を汚してしまった。
「レ、レヴィ……ぼ、僕……」
恥ずかしくて、悔しくて、思わず涙が零れる。だけどレヴィは優しく微笑んで、僕の額にキスをした。
「気持ちよかったか?」
「……なんか、怖かった……」
僕は振り返るとレヴィの胸の中に抱き着いた。あれを快感というのだろうか。自分でコントロールできない感覚に、僕には恐怖にしか感じられない。
「あれは気持ちいいという感覚なんだ。ノア、俺はもっと、お前を気持ちよくしてやりたい。それが、魔法を解くための鍵の一つだから」
僕はゆっくりと顔を見上げる。そこには、蒼い瞳の奥に揺らめく炎があった。
その炎に気付いた瞬間、レヴィの唇が僕の唇に重なった。最初はただ重ねるだけの口づけが、徐々に熱を籠ったものに変わっていく。僕の唇を食むように、何度も重なり、そしてゆっくりと口の中へとレヴィの舌が入りこんできた。
「ふっ、んっ、んんっ」
息苦しくて、何度も唇を離そうとするけれど、レヴィはそれを許してくれない。何度目かの口づけに、レヴィの舌に翻弄されながら、僕もそれに応えようと不器用なりに舌を動かし始める。すると、レヴィが口づけをしながら、フッと笑った。
「んあっ、はっ、はっ、な、何……」
僕は朦朧としながら、レヴィを見上げる。レヴィは嬉しそうに微笑み返す。
「それが、お前の本来の姿か」
レヴィの蒼い瞳の中に、白金の髪と同じ色の耳をつけた金色に光る瞳をした半獣人が映っていた。
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