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第28話
「ぁ、っ……!」
初めてリカちゃんとキスをしたのが3日前。たった数日でそれが当たり前になって、そして今では組み敷かれているんだから不思議だ。
「や、リカちゃんっ!!」
「ん?ここ、嫌い?」
ツンと俺の乳首を突きながらリカちゃんが聞いてくる。それを退けようとした俺の手を頭上で一纏めにし、また「嫌い?」とくり返した。
「そんなとこ……触られたこと……なんかない」
「だろうな。あったら許してねぇよ」
リカちゃんは理不尽だ。自分はキスも、こうやって身体に触れるのも慣れまくってるくせに俺は許してくれない。けれど、そんな理不尽な言葉を嬉しく感じてしまう自分がいる。
身体を這う手は冷たくて気持ちいい。それなのにリカちゃんが触れたところは一瞬で熱くなる。触られる度に震えてしまう俺を見て、気を良くしたらしいリカちゃんが笑った。
「今からこれじゃこの先もたないかもな」
「先?先って何…………ひッ!」
尖らせた舌先で晒された肌が下から上へと掬い上げられる。
何度も何度もそれを繰り返されるうちに、そこは芯を持って硬くなっていく。
平凡な俺の乳首がツプン、とささやかに主張を始めた。
「ゃ、んんっ……んっ」
「キスした時にも思ったけど…感度いいね、お前」
「そ、んなの……知らなッ……ぁ!」
今度は舐めるだけじゃなく、軽く吸われて語尾が震える。
「もっと快くしてやるよ」
ニィッと笑ったリカちゃんが顔を埋め、俺からは黒い髪しか見えなくなった。
上下に揺れる黒髪が肌にかかり、くすぐったくて身を捩る。けれど、そのくすぐったさも一瞬で、すぐに違う感覚へと変わってしまう。
「んぁっ、や……ンッ、あっ」
舐められ、吸われ、噛まれ……言葉通り快すぎて頭がどうにかなりそうだった。
乳首を弄られただけでフワフワとしてる俺に、リカちゃんは手を休めることなく行為を進めていく。唇でそこを責めながらも、リカちゃんの器用な手はモゾモゾと動きを止めない。
「つぅ……はっ、あ……っあ」
冷たい手のひらが脇腹をスッと辿り腰を撫でまわす。どんな刺激にも反応する俺を見ながら、余裕そうに笑う性悪教師の楽しそうな声が聞こえた。
「いいね、その反応。なかなかクる」
リカちゃんが笑う度、震える唇が緩く俺の乳首を刺激する。
初めて受ける胸への愛撫に俺はもう抵抗なんて出来なかった。
もしかしたら、最初からするつもりなんて無かったかもしれないけれど……それでも、何をされても出てくるのは文句じゃなくて途切れた声だ。
自分のものとは思えない、高く甘ったるい声が部屋に響く。
腰のあたりを動いていたリカちゃんの手がスッと服の中に入ってきた。
正しくは俺の穿いていた部屋着のズボンの中に。
「なっ!どこ触って、」
「んー…………ちょっと小ぶり?」
キュッと下着の上から握られ、その硬さを確かめた手が上下に動かされる。
強くもなく、弱くもない絶妙な力加減にゾクゾクと身体の奥から痺れが広がった。その痺れは身体を駆け巡った後に一ヶ所に集まってくる。
扱かれただけで、そこは簡単に形を変えた。
「さすが高校生。勃つの早ぇな」
「やっぅ……やめ、ろ」
「やめるかバーカ」
上に跨った男が目を眇めて俺を見下す。その黒い瞳に映るのは、上の服を捲り上げられ、欲情を露わにした俺の姿だ。
目を潤ませた自分が見たくなくて、俺は顔を背けた。
「ぁっ、はぁっ……」
リカちゃんは薄い布越しに輪郭を沿って指を這わせる。完全に勃起したその先から滲み出たモノが薄い下着を湿らしてゆく。
じんわりじゃなく、どんどんと染みは広がっていった。
「リ……カちゃんっ、早く」
直接触って、と腰を揺らした俺だけど、それを聞いてくれる相手なんかじゃない。
わかっていてもわからない、気づいていても気づかないフリをするのがリカちゃんだ。
「脱がせてほしい?それとも自分で脱ぎたい?」
「んゃッ」
耳穴に舌をねじ込ませながらリカちゃんが話す。わざと焦らすようにゆっくりと動かし、最後に耳朶を噛んだ。
「ほら。答えろよ」
「やッ、やだっ……!」
恥ずかしくて、熱い吐息から逃げるように首を振る。
耳から外れたリカちゃんの舌が、首筋を辿って時々吸い付きながら再び熱い耳元へと戻ってきた。
「……早くお前を食いたい」
囁かれたその言葉に、俺の下肢から更に蜜が溢れ落ちた。
「ああぁッ!!」
下着をずり下ろしたリカちゃんは躊躇うことなく俺の性器を口に含む。直接がいいとは思ったけれど、まさか口でされるなんて予想してなくて、驚きから黒髪へと俺は手を伸ばす。
「やだ、ま、待っ……て」
「駄目」
「無理!それっ、無理だから!!」
無理、やだ、やめろ。どれも聞き入れてもらえず、俺は頭を振ってその感覚をやり過ごそうとした。
ヂュッと音を立て、軽く吸われただけで足の付け根辺りがズクズクと疼く。初めて触れる舌の感触は暖かくて、柔らかくて……なんて言って表現したらいいのかわからない。
「やだ……リカちゃ、やだ」
やめてほしいけど、やめてほしくない。気持ちいい。快すぎて快すぎて堪らない。
言葉だけはやめてと懇願する俺に、リカちゃんは顔を下肢に埋めたまま言う。
「嫌だって言う割に頭押さえこんでんじゃん」
リカちゃんの言う通り、俺はリカちゃんの髪に指を絡め、押さえつけるよう抱え込んでいた。こういう時だけは素直になってしまった自分が悔しい。
大きなストロークで動かされるのも、少し早いスピードで吸い上げられるのも気持ちいい。
ツツーッと裏筋を辿っていく舌の動きがやたらとリアルで今にもイッちゃいそうだった。
「震え止まらないんだけど。もう出そう?」
「うっさい……そんな、とこ、で…喋んな……あぁッ!」
細めた舌先で割れ目を押しつぶされて鈍い痛みに声があがる。
「ぁッ、ぁぁ……あ、ダメ、も、出る……っぅ」
「このまま出せよ」
「離せっ…………早く離し、もう……っは、ぁ!!」
ズズッと強く吸われたと同時に、俺は耐えきれず吐き出した。それを口で全て受け止めたリカちゃんが、先端に留まった残滓までも残さず嚥下する。
「ご馳走様」
リカちゃん先生に近づいてはいけない。リカちゃん先生に触れたら最後。
決して逃げることは出来ない。
荒い息を整えながら、俺はその噂を思い出した。
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