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第4話
それから毎日のように謝罪に訪れるダルクに「気にしなくていい」と嘘を吐いた。
もっと気にしなさいと心で呟きながら。
茶を飲み、他愛もない話をし、少しずつ距離を縮めていき、友人と呼べる関係にまでなった時――。
そっと零す。
「実は…ご相談したい事がありまして……」
躊躇いがちにそう言うと、内容が深刻だと察したダルクは居住まいを正し、私を見つめた。
「なんでしょうか?」
話し辛いと言わんばかりに間を空け、節目がちに口を開く。
「その……反応しないのです」
言葉の意味が分からなかったのか、ダルクは表情の乏しい顔を僅かに歪めただけだった。
「た…勃たないのです」
分かりやすい言葉に直すと、ダルクは顔を真っ青にした。
「俺の施した治癒術式のせい……か?」
「違います! 術式は関係ありません」
「なら……」
「メイドが……」
「メイド?」
「脱衣所に着替えを持ってきたメイドが私の裸を見て、悲鳴を上げたのです」
「それは……」
「私自身は傷痕などなんでもありませんが、女性からしたら直視できないものかもしれない。そう考えたら、勃たなくなってしまって……」
術式が原因でないにしろ、自分のせいで私が不能になってしまったと青ざめるダルクに、震える声で囁く。
「こんな事を頼めるのは貴方だけなんです。どうか助けてください」
罪悪感と責任感からダルクは硬く頷いた。
気が変わらぬうちにとそのままベッドへ導き、素面では辛いだろうとワインを何杯か飲ませた。
「何度か自分でも試して見たのですが、全然駄目で……」
引き出しから潤滑油入りの小瓶を取り出し。
「た、他人の手なら、もしかしかしたらと思いまして……その…お、お願いできますか?」
ベッドの端に腰を下ろし、私を見上げるダルクに手渡した。
「身体はいいのか? 安静にしていなければ駄目なんじゃないのか?」
「絶対安静の期間は過ぎていますので、問題はありせん」
ダルクは手の平の小瓶を暫く見つめ、覚悟を決めたのか、私をそっと引き寄せた。
「こう言った事は不得手だが、最善を尽くす」
生真面目な言葉に頬を緩ませていると、脚の間に私を座らせ背中から抱きしめるようにした。
不器用な手付きで私のズボンをはだけさせ、躊躇いながらもソレを手に包むと、小瓶に入った液体を垂らし、優しく擦りあげた。
たどたどしい手付きにくすぐったさを感じ身を捩ると、それを恥ずかしがっていると勘違いしたダルクは空いている手で私の頭を撫でた。
「大丈夫だ。俺は何も思わない」
騙されているとも知らずにバカな人だと、笑みが零れた。
始めは不慣れな手付きだったが、勘はいいのだろう。直ぐに私を解放へと導いてくれた。
射精の直前に一瞬勃った事でその後何度か手淫したが、射精すらできずに終わった。
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