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第6話

 私には抜きんでた魔術師としての才能があった。  十六で第一位の魔術師となった私は騎士団への入隊を果たし、家を出た。  男にしては線が細く母親譲りの美貌は男女問わず惑わせ、多くの人間に言い寄られたが、煩わしいだけだった。  日々魔術の鍛錬に勤しみ二十歳で師団長の職に就いた年、入団してきたダルクを一目見て嫌な予感がした。  自分はこの男をどんな手を使っても手に入れるだろうと――。  そうならないようにダルクから距離を取るようにしたが、優れた剣術師だ。その名も姿も嫌でも入ってくる。  駄目だと己に言い聞かせ、必死に正気を保っていた所に、あの事故が起こったのだった。

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