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第162話

「そういえば、たくみも居たのか…お前、未だにコウジにくっついてるんだな…可哀相な奴」 コウジの後にいるたくみをみてアキラは声をかける。 「アキ兄!たくみを悪く言わないでよ…」 はっきり庇うコウジ。 アキラは昔からたくみに対して辛口な言葉ばかり言うから… 止めておかなくては気がすまない。 「別に、悪く言ってないだろ…まぁ、バカな奴だな、とは思うけど…」 「ふ、アキさんも相変わらずだね…なんか、懐かしい」 たくみはアキラの言葉に微笑んで答える。 「たくみがそんなだからアキ兄に余計からかわれるんだよ…」 コウジはたくみに言い聞かせるが… 「いいんだ、アキさんはそうじゃないと、…でも、どことなく中学の頃よりやわらかくなった感じがするね」 「どんな中学生だったんだ…オレは」 そう笑うアキラ。 「なんか…お兄さんって、見かけと中身、結構ギャップあるな…もっと女の子っぽいのかと思ったけど…」 瞬助が首を傾げながら言うと… 「はは、オレが女らしかったらキモチ悪いだろ。な、コウジ」 アキラはコウジに軽く聞く… 「うん、絶対許せないね」 大きく頷くコウジ。 「…コウジって自分の事、棚にあげてるよな…」 ぽそっと瞬助に言うアキラ。 「そうッスね…」 瞬助はそう相槌を返す。 「え、何が?」 聞き返すコウジに… 「なんでもないって、コウジはコウジだから」 瞬助はそうなだめる。 「むー…そういえば、アキ兄…」 コウジはふと思った事を聞く… 「…なんでこんなトコで買物してるの?」 「え?こんなトコ?」 首を傾げ聞き返すアキラ。 「…ここ、子供服売場だよ?しかもベビーの前で…」 首を傾げるコウジ。 「あぁ、それは…」 答えようとしたアキラを遮って瞬助が… 「まさか妊し…」 バシっ! 素早くコウジの平手が瞬助の後頭部を打つ。 「いたいなー。冗談だって」 頭をさすりながらぼやく瞬助… 「低レベルすぎ!」 呆れ顔のコウジ。

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