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第163話
「ふ、デキないデキない…明日さ、みずきの姪がくるから、服でも買ってやろうかなってみてたんだ…」
軽く笑ってアキラは答える。
「そっか…姪がいるんだみずきさんて…」
納得するコウジ。
「なんだ、てっきりお兄さんが実はお姉さんだったのかと思ったのに。メチャ綺麗だから」
瞬助は冗談混じりに言葉を挟む。
「ふ…ありがと、試しに一回寝てみる?」
アキラは笑いながら凄いことを言う。
『えぇっ!?』
「アキラ…!」
「アキ兄っ!」
さすがにその言葉には、瞬助もたくみも驚いて声を出し、みずきは制止するように、コウジは怒ったようにアキラの名前を呼ぶ…。
アキラはみんなの反応をおもしろそうに見て…
「フフ…冗談、冗談、冗談」
ひとり笑って言う。
「もう!アキ兄が言うとシャレになんないよっ」
コウジはそう怒りながら言う。
「ふ、なんか…みんな、思った通りの反応でおもしろすぎ…」
アキラはクスクス笑っている。
冗談だといわれたら叱ることも出来ないみずき…
やれやれと息をつく…
「なんだ、冗談か…」
ぼそっと呟く瞬助をみてコウジはさらに怒る。
「瞬助っ!」
「うそうそ、あのさ…せっかくだから皆で遊ぼうぜ?カラオケさっき行ったから、ボーリングでも行って…」
瞬助は笑ってごまかしながら皆を誘う。
『えっ…』
しかし、みんな微妙な表情。
「え?ダメ?」
みんなの反応が乏しかったので、瞬助は戸惑う。
「いいじゃん、行こうぜ…ボーリング」
答えたのはアキラ、そう頷く。
「でも、アキ兄は…?」
コウジがぽつりと聞く…
ボーリングみたいな重たいボールを投げる事はアキラには出来ないよね、と思って…
「オレは見てるから…その方が休めるし。丁度2VS2になるからスコア対戦でもしたら?」
アキラは軽く答える。
「え?お兄さん…ボーリング嫌いなんすか?」
瞬助は疑問に思って聞いてみる。
「まぁ、そんなトコ」
微笑んで答えるアキラ。
「あぁ、行こうか」
みずきは、普通に振る舞うアキラに合わせてそう頷く。
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