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第164話
「うん、オレみずき応援するから、がんばれよ!」
アキラは自然な仕草でみずきの腕に掴まりながら言う。
「あぁ、でも…俺はあまりボーリングに行かないから、上手くないと思う」
みずきは自信なさげに答える。
アキラは微笑んでさらにプレッシャーをかけるコトを言っている。
その様子を見てコウジは…
「…アキ兄たちって…」
似合いのカップルだよね…違和感ないもん。
振る舞いを見て、そう思ってしまう。
「あ?何コウジ、行くんだろ?」
気付いて振り返るアキラ。
「あ、ウン…なんでもない」
「さっ、お兄さんについて行こうぜ!工藤も。ストライク出しまくってやるから…コウジは俺と同じチームな!」
コウジの手を引いて、やる気満々な瞬助。
「うん、失敗しても怒らないでよ…」
コウジは頷いて、おとなしくついていく…
「さぁな…」
その様子を見て笑って意地悪っぽく首を傾げる。
そんなこんなで、成り行きのまま近くのボーリング場についた5人。
クリスマスイヴの夜だけあってかなり混み合ってはいたが、待ち時間もそれなりにゲームなどをして仲良く楽しんでいる5人。
時間の関係もあり、ボーリングは1ゲームだけ遊ぶことにする。
アキラはモニターの前に座って色々口を挟みながら、みずきとたくみチームを応援している。
「すごいすごい!みずき、あんまりしない割には上手いじゃん!」
スペア当てて帰ってきたみずきを笑顔で迎えるアキラ。
「いや…まっすぐにしか投げられないから、上手くないよ」
謙遜しつつアキラの隣に座るみずき。
「でも、当たるんだからスゴイって…あっ、たくみ!ストライク取らないと勝てないぜ!」
みずきと代わって投げにいくたくみに声をかける。
「はーい!」
たくみは軽く返事を返していく。
ゲームに参加してなくても、それなりに楽しそうなアキラを見て、安心したけれど…
みずきは、アキラにも一緒に投げさせてやりたい気持ちもあって…
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