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第168話
「はは、コウジが立派な医師になれるように、頼むよ専属教師さん」
アキラは笑いながら瞬助に言う。
「はい!任せてください」
瞬助はさらにコウジの身体を引き寄せながら胸を張って答える。
「…もう」
お調子者の瞬助にやれやれとなりながら続けて…
「瞬…そろそろ帰らなきゃ、遅くなるよ?」
時計を見て言うと…
「え~、もう?少しくらい遅くなってもいいだろ?工藤…」
瞬助はたくみに了解を取り始める。
「ダメダメ。瞬は実家遠いんだから…もう帰るの、それにアキ兄たちのデート邪魔しちゃ悪いでしょ…」
それをコウジが止める。
「チェ、俺たちのデートには邪魔者呼んでるくせに…」
瞬助は、まだぐちぐちいうけれど…
「それはそれっ!…じゃ、僕たち帰るね、アキ兄」
渋る瞬助を抑えてコウジはアキラに声をかける。
「…うん、気をつけて帰れよ」
アキラはそうほほ笑む。
「アキ兄こそ…たまにはウチに帰っておいで、僕しかいない家なんてつまらないから…」
コウジはそう優しく誘う。
「オレは…いいや、彼でも呼んでやりな…家、使いたい放題だろ…」
瞬助を瞳で指しながら…アキラは笑う。
一度追い出された家に、戻る気にはなれない…。
「アキ兄…うん、分かった…アリガトね」
アキラに答え、みずきにも頼むコウジ。
「…みずきさん、アキ兄のコトよろしくお願いします。ちょっと扱いにくいけどね…」
そう苦笑いする。
アキラが、扱いにくいってなんだよ、と抗議してくるが…
「あぁ。アキラのことは誰より大切にするから…」
みずきはアキラを寄せながら、コウジに向かってまっすぐ答える。
「…アキ兄。いいひと見つけたね、大切にしなきゃ…」
そんな様子に安心しながらみずきを褒め、アキラに促す。
「う…ん、お前もな…!」
微妙に頷き…アキラは答える。
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