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第169話

「うん…じゃ行こう、またね。元気でね!」 「お兄さんっ、またあいましょーね!」 瞬助はどさくさに紛れ、アキラの片手に両手で握手している。 アキラは嫌がるでもなく背の高い瞬助の頭にもう片方の手を延ばし感心するように触れる。 「……」 アキラと瞬助の行動にコウジとみずきは、かなり気になるトコロだけど…ぐっと心を抑えて様子を見守る2人。 アキラは、気にせず瞬助の衿を軽く引く… 「え、なんスか?」 瞬助は、軽くかがみアキラに顔を近付ける。 アキラは微笑み、瞬助にそっと耳打ちする… 「…コウジをあまり悲しませんなよ、アレでもオレの弟なんだから…」 その言葉に瞬助は、お返しにアキラにポソッと耳打ちする。 「大丈夫ッス、貴方様の弟君は俺の最高のパートナーですから…」 怒らせたり不安にさせたり…たまにはするけど、裏切ったり傷つけたりはしないつもりです、と意味を含み瞬助は離れる。 「ま、オレの弟だからな、当然かな」 アキラは瞬助を見上げて笑う。 「ちょっと、瞬!近付きすぎだよっ」 やはり我慢出来なくてコウジは瞬助の後服をひっぱり、怒っている。 「ははっじゃ…バツゲーム、面白いの考えてくるんで楽しみにしててくださいね~!」 バイバイしながらコウジに抱き込むように腕を回す瞬助… 「えー、オレもしなきゃダメなのか?」 アキラはぼやく… 「そうそう、アキ兄も参加したからね」 コウジは自然と瞬助の腕に掴まりながら答える。 「むぅ、みずき…」 アキラは、みずきの所為だといわんばかりに睨むと… 「…すまない」 そうみずきは申し訳なさそうに謝る。 「ふっ嘘だって、マジにあやまるなよ…バツゲーム何でもこい、受けてやるよ!」 くすくす笑いコウジたちに向かい付け足して言うアキラ。 「今、言ったこと、忘れないでねアキ兄!」 そのままバイバイしながら歩きだす2人…

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