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第173話

「…うん。なんか、周りすごいことになってたんだな…」 軽く頷き、ようやく周りの様子に気付くアキラ。 「そう、ちょっとマイってて…」 またみずきは苦笑いする。 「…ふーん」 アキラはみずきを上目づかいに見て笑い… スッと片手でみずきの股間あたりに触れてみる。 「っ!…アキラっ」 みずきは、ドキッとして、慌ててアキラの手をよける。 ただでさえ雰囲気に流されそうな心を抑えるために苦労しているのに… そこへアキラに触れられたら… うろたえるみずきを見て… 「フ…、いや、どうかな~って思って…やっぱり見てるだけでも感じるんだな…みずき」 にわかに勃っているみずきをからかうようにアキラは言いクスッと笑う。 みずきはアキラの言葉に首を横に振り… 「ちがう…これは、アキラとキスしたから…」 その真剣に答えるみずきがすごく面白くて… 吹き出して笑ってしまうアキラ。 「ぷぷっ!」 笑われてますます恥ずかしくなる。 「帰ろう…!」 羞恥心を隠したい思いでみずきは、アキラの片手を掴み、ぐいっと引いて紛らわそうとするが… 「ちょっ!待ッ…痛ッ」 「アキラッ!!」 急に引っ張られて体勢を崩すアキラ… みずきは慌ててアキラの右腕を掴み、転倒しないよう身体を支えるが、もう片方の手をベンチの角で打ち付けてしまう。 「すまない、アキラ…大丈夫か?」 みずきは表情を曇らせて自分のしてしまった事を悔やみながら、アキラに声をかける。 「……もー、怒った。ゆるさん…」 打った手に触れながら、不機嫌になり言うアキラ。 みずきはアキラを傷つけてしまったのと、怒らせてしまったのとで、かなり落ち込んでしまう。 「…すまない」 ぽつりともう一度、深刻な顔でアキラに謝るみずき… そんなみずきを見て、アキラは息をついて… 「…ばか、ウソだよ!こんなかすり傷、どうってコトないって…帰るんだろ?行こ…」 微笑して、歩き出す。

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