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第181話

「アキラはそこに座っていて、姉さんはすぐ来ると思うから、会った後、時間が余るようならタクシー呼んで先に帰ってもいいから…」 椅子を指差し言い終わると、みずきはアキラに背を向けて、着替え始める。 「うん。…へへ、みずきのナマ着替えだ…」 椅子に座り簡易机に頬杖をついてみずきの着替えるところを見学している。 「…は?」 アキラの言葉に振り向くみずき。 アキラにじっと見られているコトに気付いて… 「…アキラ、少し向こうに…」 向いていて欲しいと言おうとするが… 「ヤダ。それ着るんだな~可愛い~」 訴えを言い終える前にアキラに却下されたみずき… あきらめて着替えを続け、サンタ服に袖を通していく。 「アキラ…毎年だけど、これを着るのは、凄く恥ずかしいんだ。アキラも着てみるか?」 みずきが優しく言うと… 「げっ、絶対ヤダよ、そんな目立つ格好!」 かなり嫌がってるアキラ。 「な、俺の気持ちが、わかったか?」 「えー、みずきはイイんだよ、似合いそうだし…面白いから」 そう笑い、勝手に決め付けている。 そんな様子を見て、微笑むみずき… 少し強制的にアキラを姉と会わせるように仕向けてしまって、アキラが気を張っていたりしないか心配していたのだが、いつも通りのアキラで安心する。 手際よく慣れた調子で上着を脱いで、赤に覆われた服にチェンジする。 肩口から覗くみずきの素肌を眺めアキラはポツリと呟く… 「みずきも、けっこう色白な方だよな…」 アキラの言葉に振り向いて… 「…アキラほど白くはないけれど、仕事柄…太陽にあたらないから焼けないんだ」 そう答えるみずき。 「いいじゃん、色白の方がサンタ似合うし」 そう微笑み、アキラは続けて… 「ボーシとかないの?その衣裳」 サンタクロースと言えば、赤に白ふち、先っぽに白い柔らかい丸玉が付いた帽子が定番だな…と思ってアキラは聞いてみる。

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