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第18話
「ふっ…どうだろうな」
そっと、アキラの胸の先へ口を近づけて、舌先で細かくなぞるみずき。
「…アッ、んっン」
アキラは微かに感じて声に出す。
その様子が、みずきの心の高揚を高め、アキラの身体をやさしく包みこむ。
「…どう?」
瞳を合わせ静かに聞くアキラ。
そのアキラの表情が、可愛すぎて、冷静にアキラの問いに答えられないみずき。
「…しょっぱいと言うか…甘い…」
それを聞いてアキラは…
「甘ぃー?そんなアホな…、あ、そっか、舌の味覚感知場所が違うからかなぁ…」
一人で、首をかしげている。
「味覚?」
「そ、舌の先はさ甘味を感じるトコロだから、酸味は真ん中へん、こうすれば解るかも…」
そう言ってみずきに寄って首筋を、べろんと舌全体で猫のように舐めるアキラ。
「!」
すでに、上半身裸のみずき…。
みずきも色白な方だがアキラには負ける。
黒のパジャマがその白い肌をさらにひきたてる。
アキラは服のボタンをすべて外し、肩口が見えるほど脱がされかけた色っぽい格好で…おもしろい事をしてみせる。
それがなんともアキラらしいな、と思ってしまうみずき。
考え方が大人びているように見えても、どこか安らげる。
その無邪気さがみずきを自由にさせる。
「…こう?」
みずきは微笑し、アキラの鎖骨のあたりを猫真似で、ぺろっと舐めてみる。
「…うひゃ!っほんとにやるかー?で、お味は?」
みずきの行動に驚いて変な声を出すアキラ…
一瞬身を縮めたが…また、からかうように首をかしげ答えを待つ。
「ん…おいしいよ」
みずきは答えて、そのまま、肩へ腕へと口づけてアキラの服を、少しづつ脱がしていく…。
やさしく触られアキラは…
「お気にめした?」
流れを止めないように静かに聞いてみる。
「あぁ…とても綺麗だ」
綺麗な身体…きれいな心…。
みずきをとらえて離さない。
それを聞いて小さく笑うアキラ。
嬉しいのか、でも複雑な微妙な微笑。
その中に含まれる思いにみずきは気付かない。
アキラを優しく愛撫するみずき、下半身にはまだ触れず。
「ハ…ハァ、ンッ」
みずきのあたえる快感に、息使いで答えるアキラ。
こんなに会話をしながら、少しずつ楽しんで出来るなんてなかった…。
心の中で思うふたり…。
撮影は、いつも、センパイたちに見られながら、NGに気を使って、台本通りに進めていく。
そんなのは…、所詮利益のためのウソ。
でも、今は心が触れ合える。
言いたいコトが言える。
「…ン、みずきだって、カッコイイんだからな…自信もてよ」
みずきの細身のしかし、男らしい身体に触れながら、アキラはみずきに欠けている自信を持たせようと言葉をかける。
「あぁ…ありがとう」
好きな人に褒められるのはとても嬉しいみずき。
胸の高鳴りを感じながら…
まだ触れていなかった下半身に触れようか迷う。
さっき発作が治まったばかりのアキラを本当に抱いていいのだろうか…。
その迷いをさとってか、アキラは、そっとみずきの片手に触れ手を取り…
「…いいよ、みずきが…抱いて」
瞳を見つめながらみずきの手を自分のズボンにかけさせやさしく言う。
「…アキラ…」
触れてくれる手が温かくみずきを受けとめてくれる。
静かに中へと指を這わせ、アキラの秘部へ触れていく…。
「…ンん、ッ」
アキラは、片手でみずきの後ろ髪を浅く握り、もう片方の手でみずきのズボンをずらし…外から触っていく。
その動きがみずきの呼吸を早め、身体が熱くなる。
あいている手や舌で、アキラの身体を攻めていき、心と身体の興奮を伝えていくみずき。
「…ハ、アッ…ン、ンッ」
感じるトコロに触れられて、快感が体中に伝わる。
みずきのそれに触れていた手も動きに負け止まってしまう。
みずきの舌がアキラのモノに絡み、促すように刺激する。
その快感で頭の痛みなど、忘れてしまえるアキラ…
しかし――
「…アッ、ンッハァ…ッ、ッぅ、ッケホッゴホッ、ケホッ、ッ!」
急に顔を横へ向け、激しく咳込むアキラ。
手で口を覆いながら、みずきに向かって…
「ワリィみずき、そこのタオルとって!」
「あ、あぁ」
投げだしたフェイスタオルを言われた通り、すぐ取ってやるみずき。
アキラはそれで、まず口を拭いて、それから手の平にわずかに残る薄血を拭きとった。
「あーっ、もォ!せっかく忘れかけてたのに、間の悪ぃ…」
アキラはそう唸る。
「…アキラ」
「ごめんな、いいトコだったのに、流れ止めて…」
その様子を全部見ていたみずき。
その行為を中断させられた事よりも、アキラの生気のない顔で、拭きとってはいるが口の端に残る血を見ていると、たまらなく恐くなり、肩を横に向けて座っているアキラを覆うように抱きしめる。
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