35 / 213

第35話

「別にいいじゃねぇか、みずきは知ってるんだろ!」 「知ってるケド、お前はダメ!ほら、向こう、あの家がルードの実家」 アキラの言葉にひかれ、そちらに気をとられている間にロックを解除するアキラ。 「ほら!早く入れっ!」 「え?もう開いたのか!」 驚き不満ながらもアキラに付いていく。 入ってすぐに、二匹の犬がお出迎え。 「ただいま、メアリー、リッツ、よしよし」 アキラは犬の背を撫でている。 「うわっ!びっくりしたっ!」 いきなり犬に飛びつかれ、うろたえる。 「リッツ!そいつに近づいたら蹴られるぞ!」 「なっ!蹴るわけねぇだろッ!」 怒るヨシを無視して、アキラは… 「後でメシやるからな、待ってな」 犬にはやさしく言い、ヨシには冷たく… 「早く来い!」 と言う。 「はいはい、バイバイ~っ!」 一応答えて、犬にバイバイしてアキラについていくヨシ。 大きな玄関のドアにもロックがかけてあるが、これはカードキーで開くらしい。 すっとカードを通して家の中へ入るアキラ。 玄関もかなり広い。 「そこ座ってて!」 そう言うと奥へ入って行くアキラ。 「なんだよ!上げてくれねぇの?」 ヨシは文句を言い玄関になぜか置いてある椅子に座る。 玄関から部屋の中を見わたすヨシ。 壁には西洋風絵画がかかっている。 (あれもやっぱ、ん百万はするんだろーぜ) 心でケッとなりながら、ふとある事に気付く。 (…静か過ぎねぇ?) アキラは救急箱のような物を持ってヨシの元に戻ってくる。 「なぁ、この家、お前以外いねぇの?」 なにげに聞いてみる。 「あぁ、いつものコトだ」 気にする風もなく、軽く答える。 「家政婦とかいるだろ、フツー金持ちは」 なおもつっこむヨシ。 「いたよ、ガキの頃は、でも、もう自分の事は自分で出来るからな、必要なくなったんだ。金かかるし」 「そんなもんかぁ?」 首をかしげるヨシだが、アキラは無視して、止血した布をとる。 「早く服脱げよ、手当できねぇだろ!」 不機嫌に言うアキラにヨシは。 「ぬ、脱ぐ…」 その言葉だけに反応する。 「バカか、変な事考えんなよ!早くしないと服破くぞッ!」 「わかってるっつーの!ムキになるな、アホっ!」 ヨシは笑いながらバカにする。 「てめー、それ以上オレを怒らせたらどうなるか」 アキラはトゲ抜き用のハサミをシャキーンとさせながら言う。 「わ、わかった!おとなしくする」 恐怖を感じて、たじっとなるヨシ。 Tシャツを脱いでおとなしく待つ事にする。 なかなかイイ身体つきのヨシだが、アキラは傷の方に集中している。 ふと笑ってアキラは… 「トゲいっぱい刺さってるぞ~っ見ろよ」 そう、傷口をガーゼでつつく。 「いてーッってんだろ!早く抜けよトゲッ!!」 顔を向こうにむけて怒る。 「しょうがねーなぁ、動くなよ!」 アキラは言い、ガーゼと器具を持ち、抜きはじめる。 相当痛いのを覚悟したヨシだが、アキラは1本2本と、手際よくトゲを取り除く。 「…オマエさぁ、大学いかねぇと医者になれねぇんじゃねーの?」 アキラを見て聞く。

ともだちにシェアしよう!