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第38話

アキラを一人残して行くことが不安なみずきだったが、とりあえず絶叫マシーンの列に並ぶ。 アキラは少し離れたところから様子を見ている。 そのうち、不意にアキラに声をかける人物が… 「Hey, What's up?」 比較的若いアメリカ系外国人が片手を上げながら笑顔を向け、近づいてくる。 「Do you speak English?」 他に2人大学生か旅行客なのか連れがいる。 そのままアキラに英語が話せるかどうか聞いている。 「Yes, I speak English.」 アキラも普通に応対している。 深緑の瞳に、淡い栗色の髪のアキラは、街に出るとたまに外国人から道を訪ねられたり、声をかけられたりするので慣れたものだ… しかし、その様子を列に並んで遠くから見ていたみずきは驚く… 「アキラ!」 「ん?あ、はは、アイツ、外国人に絡まれてるな~」 のんきに声を出すヨシだが、みずきは気が気ではない… 「……」 みずきとしては心配で今すぐ駆けていきたいくらいだが… かなり列の奥にいてそろそろ順番がきそうな位置にいるため出られそうにない… 「みずき、落ち着けって、道聞かれてるだけだろ。順番くるぜ?」 そう促すヨシ。 「あ、あぁ…」 確かに、もう絶叫マシーンに乗ったほうが早そうだったので、アキラのことを心配しつつ乗り込む。 なんとか乗り終えて、アキラの元へ急ぐみずき。 アキラはまだ外国人たちと笑顔を交え、英語で話していた。 「あ、おかえり、みずき」 「アキラ、大丈夫か?その人たちは?」 「ん、迷ってたから道教えただけ、んで少し話してたけど…」 「Your boyfriend?」 不意に外国人が聞いてくる? 「I'm a man」 アキラは笑いながら自分は男だと説明している。 「Wow, very cute though」 すると外国人たちは口々に驚いている。 「…?」 早口でみずきには何を言っているのかよくわからなかったが… 「アキラが自分は男だって言ったら、可愛いのにっておどろかれてんだよ」 不意にヨシが笑いながら耳打ちして教えてくれる。 「……」 みずきが言葉をなくしている間に、アキラは外国人たちと再び英語で話して、一区切りついたのかバイバイしている。 外国人たちも笑顔でお礼をいい、そのまま去っていった。 「お前、写真撮ったか?」 ヨシがすかざず突っ込む。 「話しかけられてたんだから無理、っていうか、速すぎてどちらにしても撮れないって」 フンと言い返すアキラ。 「んだよ、使ねぇな…」 「るっせ…」 「アキラ…」 不機嫌になるアキラを心配するみずきだが… 「で、感想は?」 みずきをみて普通に聞いてくる。 「えっ…」 アキラの事が心配で絶叫マシーンの感想など吹っ飛んでしまったみずき… 答えに詰まってしまう。 「感想なし?」 そう可愛く首をかしげる。 「あぁ…早かったな…」 そんな姿にドキッとしながらもなんとか答える。 「そんだけかよ」 そう吹き出して笑うアキラ。 「よくあるのか?」 そんなことよりも気になることをきいてしまう。 「ん?」 「外国人に話しかけられること…」 「まぁな、見た目これだし」 色白の肌…淡い栗色の髪が日に当たってさらに淡く見え、深い緑色の瞳が日本人とはかけ離れた雰囲気を出しているアキラ。 「そうか…」 「心配した?」 少し笑って話しかける。 「あぁ…」 アキラが絡まれていると思ったら、気が気ではなかった。 「大丈夫!外国人って結構さっぱりしてるから案外平気なんだ、話せば分かるし。どっちかというと日本人の方が厄介かな」 そう首をかしげる。 「そうなのか…」 「おい!次行こぜ!」 ヨシは二人の会話に割って入りながら移動を促す。 「あぁ…」 ヨシの呼びかけに頷き歩き始める3人。 「次は違う感想言えよ」 アキラはそうみずきを試すように囁く。 「…あ、あぁ」 心配で、本当はもうアキラのそばを離れたくなかったみずきだが… アキラに気を遣わせるのも忍びないので、ヨシに付き合って楽しむことにする。 その感想をアキラへ伝えていく… ヨシは次々とアトラクションを制覇していき楽しんでいるが、アキラは移動がしんどくなったのか歩行スピードが遅くなってくる。 「休憩するか?」 ヨシがアトラクションの混み具合を確認に行っている間に、みずきはアキラの様子を心配してそっと聞いてみる。 「んー、オレあっちで座ってるからヨシと回ってこいよ」 やはり休憩したいのかそう答えるアキラ。 「いや、アキラを置いてはいけないから…それに」 「それに?」

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