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第42話

みずきは、温めた雑炊を小さなおわんについで、アキラに持っていく。 「はい、口に合うかわからないけど…」 そうつけ足してアキラに渡す。 「いただきます!」 アキラは、スプーンに雑炊を少しすくい、ふーふーと冷まして口へと運ぶ。 どんな反応が帰ってくるのか…少し、ドキドキして待つみずき。 「うん、うめーじゃん!これ、ほら、みずきも食ってみ?」 そう言ってみずきにも食べさせているアキラ。 一応味見をしているので、味は知っているが、せっかくなので食べてみる。 「あぁ」 アキラに気に入ってもらえて安心する。 「な、うめーだろ。これからは、時々みずきにご飯作ってもらおうかな?」 「え?」 「ウソウソ、みずき料理好きそうじゃないもんな」 アキラは笑って手を振る。 「いや、マズくていいなら作ってやるよ、おまえに…」 そう、やさしく伝える。 「ホント?ラッキー、楽しみにしてるよ」 熱があるのに、相当ハイなアキラ。 ほくほくとおいしそうに食べてくれる。 見ていないと食事もしない。 わがままもここまでくると、かわいい。 だから、何かしてやりたくなる。 みずきは心の中で、そう想う。 アキラは半分くらいみずきに食べさせながら、おわんをあける。 食べ終わって、ごちそーさまっと言っておわんを渡してくる。 「うまかったよ、ひさしぶりだな、腹いっぱいになったのは…」 アキラからおわんを受け取りながらみずきは、酒の事を聞かなくては…と言葉を出す。 「アキラ、おまえ…酒」 「あ!そうそう、食器は下に置いといてくれればイイから、乾くと洗うの大変だから水につけといてな、よろしく!」 「アキラ」 「さっ早く持っていってこいよ!」 みずきに話し出すヒマを与えないアキラ。 追立るようにみずきに言う。 みずきは仕方なく、食事の後片付けに1Fへと降りる。 「……」 アキラは一人部屋で、どうしようかと考える。 (うーん…もう、かなりみずきに、あやしまれてるなぁ…でも、ホントのコトは言わない方がイイよな…どう言いワケしようかぁ) しばらくして、みずきが戻ってくる。 「みずき、ゲームでもする?」 ベッドサイドに座っているアキラの問いには答えず、みずきはその横に静かに座ってスッとアキラの唇を親指で抑えつつ… 「アキラ、どうして酒なんか飲んだ?」 アキラの口を塞いで聞くみずき。 「ふ、そんなに気になる…?」 「あたり前だ、おまえの命に関わる事だから…」 真剣な瞳…。 「そ、だよな…悪ぃな、オレまだ死にてーのかも、やっぱツライ病気だからな…」 そう視線を下げて言葉をつなげるアキラ… 「アキラ…」 「それか、ただ酒飲みたかったからかも知んねーケド。もう飲まないから、大丈夫。オレってワガママだからな、自分の思い通りにしたいんだよ、たばこダメ、お酒ダメ、走るのダメ、これから増えてく禁止行動に挑んでみたくなる時だってあるんだ」 視線を流すように、窓を見て説明する。 「……」 みずきは、黙ってしまう。 「みずき?」 何も答えないみずきを伺うように名前を呼ぶ。 「ちがう…」 「え?」 「違う、アキラは嘘を言っている」 「な、何言ってんだよ、本当だぜ、酒飲みたくなるときあるし…」 はっとして…繕うように話しながら、みずきの方を向く… 「それは本当でも、根本的に嘘をついてないか?お前をみているとわかるんだ…本当の事を教えてくれ」 みずきは確信を持ってアキラに聞く。 ルードが出て行った日、多量の酒を飲んで辛い発作を起こしていたアキラ… 何時間も…辛く苦しい発作が起きるとわかっているのに… そんな理由だけで酒を飲むだろうか… 余程のことがないと飲まないはずだから… 「……はぁ、なんでお前って、そう感がいいんだか、それともオレってすぐ顔に出ちまうタイプ?はは、まいったな…」 首をかしげ、困ったふうに笑うアキラ。 「やはり、なぜ酒を飲んだのか、本当の事を教えてくれ」 「嫌だよ、みずきは知らない方がイイと思って言わないんだから、教えねぇよ」 ふぅ、と息をついて断る。 「な、なぜ?俺には言えない理由なのか?」 不安になり聞き返すみずき。 「言えないんじゃない、オレは別に言ってもいいけど、みずきがショック受けるかなーと思って言わないだけだよ」 「な、それは…俺への不満が原因って事か?」 ますます不安になる。 「はぁ、…違うよ」 みずきの言葉を聞いて溜息をつく。 「じゃ、言ってくれ、でないと気になるから…」 言わないと、納得しそうにないみずきを見てアキラは… 「まぁ、そうだな、みずきがこんな事くらいでキズつくわけねーよな…仮にも同業者だったんだし」 息を吐き…みずきをみる。 「!?」 (同業者?) その言葉で嫌な感じが走るみずき。 アキラは、隠すのをやめ、本当のことを話しはじめる。

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