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第82話

「…ごめん、でも…アキラの心に出ていくと言う思いがあったら…俺は、安心出来ないんだ。俺は、どんな壁があろうとアキラと一緒に暮らしたい、そう思っているから…」 「…うん」 みずきの強い言葉に、素直に頷くアキラ。 でも、すぐにクスクス笑いだしてしまう…。 「ふっふふっ」 「…アキラ?」 急に笑いだしたアキラを見てどうしたのかと名を呼んでしまう。 「フッ、ごめ、…かっこイイこと言うなぁと思って…」 瞳をあわせて、ぽつりと感想。 改めて言われると、なんだか…はずかしく思えてくる。 「…えっと、その…」 照れ隠しをするような表情のみずきに、アキラは…その頬を、ビーと両手で伸ばす。 「ぁ、アキラ…!?」 アキラの行動に驚きながらも、みずきは微笑む。 いつものアキラらしいイタズラだ…。 アキラは、くるっとみずきに背を向け、そのまま身体をみずきに預けるように寄りかかる。 立ったまま、アキラを後ろから抱きかかえるように支えるみずき。 「…みずきはさ、いつもオレに優しいだろ?…だから、さっきみたいに思ってるコト強く言ってくれたら…」 ポツリポツリと、話すアキラ… 「…ウン」 頷いて聞いているみずき… 「……、うん、なんか…安心する。前は、おまえ、オレの言う事…なんでも聞いてくれて…今もだけど、でも…オレに強く意見とかできなかったろ?」 聞くように話す。 みずきは思い出しながら聞いている… 「…そう言うの、なんか対等じゃないし…嫌だったんだ。みずきも、気に入らない事、たくさんあるだろうから…遠慮せずに言ったらいいからな…」 抱きしめてくれるみずきの腕に触れながら…優しくそう伝える。 「…あぁ。俺は…元々、話すのが苦手で、言葉にするのも勇気がいったけど…」 みずきは…優しくアキラの手に指を重ねながら…みずきのペースで話す。 アキラもおとなしく聞いている。 「今は…前よりも言葉が自然に出るようになった、本当の気持ちを伝える事ができるようになった…アキラが、傍に居てくれるから…」 それは本心からの言葉だ… アキラのおかげで自分は変われた。 みずきは思うが… 「…違うよ、オレは何もしてない。そう変われたのは、みずき自身の力なんだ…」 「…それは」 「そう、思って欲しい…オレは、みずきにもっと自信を持ってもらいたいから…」 すっと身体を離しながらみずきを見る。 「…自信?」 アキラと向き合い、瞳を合わせ、ポツリと聞くみずき。 「そう。人のおかげじゃなくて、自分の力…これからはそう思って自信つけていきな…その方が、ずっとカッコいいから…」 にっこり笑いかけられ… 「…あぁ」 アキラの優しいコトバに、みずきも頷く。 「なら良し!」 みずきの応えを確認して一言いい、みずきを置いて部屋のまん中へ歩いていく。 「アキラ!」 優しく呼びかける。 「ん…?」 そっと振り返る。

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