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第89話
もうすでにアキラより一まわりは大きいルード、アキラを抱き込み続ける。
「…アキラにもらった手紙読んで…俺なりに、少し考えたんだ。俺が、本当にやりたかった事とか…どうしたいのかとか…」
すっと離れてアキラの瞳を見て、言うルード。
「…ルード、わかってくれたんだな…よかった」
すっと優しく微笑みながら答える。
ルードは、笑顔のアキラをみて安心したように、ほっと息をつく。
「…アキラ、うん…俺、学校行く。アキラが紹介してくれたトコ、がんばって行くから…」
素直に、頷くルードを見て嬉しくなる。
「…そうだな、がんばれよ、ルード」
前向きなルードに戻ってくれて、それだけで嬉しい。
いつものように応援する。
「ありがと!なんか、アキラには助けてもらってばっかりだ…」
少し気はずかしそうに言うルード。
「…そんなことないって、オレはこうしてルードが会いに来てくれただけで嬉しいし、ちゃんと学校の事も考えてくれて、オレはそれだけで安心できるから…」
優しく否定し、気持ちを伝える。
ルードは、少し考えるように問ってくる。
「…アキラ…どうして、ここに居るんだ?」
「ココ?あぁ、ちょっとな、家には住めなくなって…みずきのトコに置いてもらってるんだ」
「…そうなんだ」
ふっと表情を曇らせ呟く。
「ん?どうした?」
心配そうに聞く。
「…俺、みずきに嫌われてるだろ」
問うように呟く。
「…どうしてそう思うんだ?」
「だって…みずきが俺を見る目つき恐いし、俺と話すとき、いつも怒るから…前はそんなじゃなかったのにさ…」
息をつきながら話すルードを見てアキラは少し考えて言葉を出す。
「…たぶん、みずきも困惑してるんだよ、お前…中学上がって変わったろ、前はみずき、お前の事尊敬してるっていってたんだから…そのギャップでさ…」
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