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第90話

「そっか、やっぱり俺の態度が悪かったんだ…」 少し、しゅんとなるルード… それがなんとも可愛くみえるアキラ、すぐ言葉を返す。 「うーん、ルードの場合それまでがイイ子過ぎたから、仕方ないよな、反抗する時期だって成長していく中では必要だと思うし…少しムチャしてた方が、どんな事が悪いコトか分かるもんだし…だから、ルードが誠意をみせていけば大丈夫だと思うから…」 …そうは言ってみるけど、みずきは…仕方ないよな、昔のようには戻れないんだろうか…。 みずきがルードに冷たいのは、オレがルードの事をスキだから… みずきにとって… オレとルードが仲よくするのは嫌な事だから、どうしても冷たくなってしまう。 オレが優柔不断なんだ、ヨシの言う通り…みずきに優しさを求めたオレが…悪い。 何も言わなきゃみずきとも前のように友達関係で続いていた。 ルードに付き合ってるとは…いえない… でも、それはウソをつく事になるんだろうし…。 まぁ、ルードとこれ以上親しくは戻れないだろうから…いいか。 何やら黙ってしまったアキラをじーっと見てルードは… 「…みずきって、アキラの事、好きなんだろ?」 「…え?」 不意の問いに聞き返してしまう。 「だって、人に無関心ぽいみずきが、アキラの事になると必死なんだぜ、大きな声で怒ったり…殴ったり、絶対そうだろ!」 勢いよく言うルードにおされぎみに答えるアキラ。 「…まぁ、そうなるかな…」 頷くアキラを見て、少しムカッとなりながら… 「だから、一緒に住んでるのか?俺が悪くなったから…もう追いかけないって言ったのは、みずきの方が好きになったから?」 表情を変えて聞き返す。 「ち、違うって、今でもお前のコト愛してる。そう言ったろ、それは嘘じゃない…」 落ち着いた声で答える。 ルードはまだ納得しきれない様子で聞いてくる。

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