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第99話
「…俺は、アキラに出て行ってほしくないんだっ本当は…」
ハッとしてみずきは言う。
「じゃ、なんで、いいなんて言ったんだよ!」
「…それは、アキラの自由を…奪ってしまうかと思ったから…でも…」
「……」
アキラは、静かにみずきの方を向く…。
向き合うカタチになる2人。
「アキラは…俺なんかより、ルードの方がいいのは分かっている…」
アキラの瞳を見つめ話しだすみずき…
「でも…アキラの幸せより、俺の…俺の望みを、自分のこの気持ちを、押しつけてしまう…。でも、ルードに黙って渡す事なんかできない…したくない、そんな事…」
真剣に伝えるみずき。
「……」
その瞳を覗くように見るアキラ。
「…だから、ルードの所には行かないでくれ…」
アキラの両肩に触れて言葉にする。
アキラは少し無言になるが…。
「……ばぁか、本当は出て行く気なんかねぇよ…ちょっと言ってみたことに、どーでもいいような答え方するから…少しムカついて…」
スネたようにポツリと言葉を返す。
その言葉を聞いて、ほっと安堵するみずき。
「アキラ、よかった…」
すると、アキラは表情を歪める。
「…何がよかっただよ!オマエ分かってるか?お前の言い方、誤解が多過ぎる、もっと全部話してくれないと、こっちに通じないだろ…!」
「…話す…?」
「そう、それに、お前はオレの事、愛してるんだろ?なら、ルードのこと、気にする必要はないだろ、オレに信じていいって言った以上は、あんな…遠慮したような言い方、裏切るような言い方は二度とするなよ!今度言ったらホントに出て行くからなっ!」
アキラは勢いでみずきに向かって言う。
みずきはすぐ頷くが…
「あぁ、でも…」
すぐ別の心配が頭をよぎる…
ルードの…
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