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第102話
みずきの囁く言葉を聞き、もう一度みずきの瞳を見てみる。
……どきっ、と心臓の鼓動が胸の中に響いたように思えるアキラ。
オレだけをみているやさしい瞳…。
「…みずきは、オレと付き合ってて…恋人同士なんだろ?」
みずきの胸にもたれながら…ポツリと聞く。
「あぁ」
しっかり抱きとめるみずき。
「だったら…オレを見張っておかないと、んで、オレが浮気しないように…お前が、オレをちゃんと愛してくれなきゃ…言ってる意味わかる?」
クスっと意地悪っぽく笑い、上目遣いにみずきへ囁く。
「アキラ…いいのか?」
アキラの言葉に顔を少し赤らめみずきは問い返してしまう。
「あたり前だろ!オレが言わないと、お前付き合ってるらしいコト全然しないんだもんな…」
少しふくれっ面をして伝えていく。
滅多にしない顔だけど、頬をふくらましたその顔もやはり…可愛いと、ぼーっと思ってしまうみずき。
「…オレは!そういうタイドとられると、本当に愛してくれてんのか疑ってしまうんだよ…!」
少し身体を離し、みずきを責めるように言うアキラ。
「アキラ、そんな…」
困ってしまうみずき。
「オレは、ワガママなんだ、エサと寝るとこあれば満足すると思ったら大マチガイだぜ…!」
からかう様に口調を尖らせる。
でも、その深緑の瞳には、やさしい光が…みずきに伝わる。
「…あぁ、わかった…もう迷わない」
アキラに優しく微笑むみずき。
そして片手でアキラを抱き寄せ、もう片方の手で顎を持ちあげ瞳を合わせる。
「…アキラを、抱きたい」
優しくアキラを見つめて、ささやく。
「……」
頷き…声には出さないけれど、表情で応えてくれる。
優しい微笑み。
すっと、アキラの下唇を親指でなぞる。
アキラは…静かに瞳を閉じる。
みずきのキスを求めるときの癖…。
そのみずきの手にアキラは指を重ねる。
いつものようにキスを促したりしない、みずきの意思にまかせる。
みずきはアキラの手を軽く握り…
優しく見つめ…さらに片腕で抱きよせながら静かに、みずきから口づけしていく…
何度か軽く触れ合い、同じタイミングで口を開き…深く唇を重ねるみずきとアキラ。
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