104 / 213
第104話
「…本当の気持ちは、働かないで欲しい…けれど、そういうわけにもいかないから…仕方ない事なんだろう?」
そう問うように言葉を返すみずき。
「…じゃみずきは、毎週日曜、オレがBOUSの奴にヤられてるのを知ってても、躊躇うことなく抱ける?オレなら嫌だな…」
「俺だって嫌だ、本当は自分だけで…アキラを独占していたい、でも出来ないから…」
この…綺麗なアキラの身体…。
俺だけの為には存在しない…、BOUSメンバー、そして映像になれば、もっと多くの人の目にさらされているんだ…。
そう考えると…
「……」
動きがとまってしまったみずきを見て、アキラは…
「…やっぱ引いたよな?ごめん、わざと言ったんだ、だからってみずきにはどうする事もできないのにな…どう言う反応するかなって思って…」
わざと困らせた…
でもそれも事実だから、みずきは、仕方ないと言う。
そうだけど…
オレは違う答えも欲しかった。
辞めて欲しいなら一緒に方法があるか考えて欲しいし…
……正直、BOUSを続けていくことがツライ。
撮影自体も気力と体力使うし、それ以上に…撮影終わってプライベートの時に誘われるのが…結構毎回だし、オレの力の入らない身体じゃ断りきれる確率はゼロ。
それからここへ帰る時にも気を使うし、どーせなら、そのまま泊まっていきたいくらい。
そう思ってアキラはみずきに聞く…
「BOUS行く日…オレここに帰って来なくてもいい?」
「え…?」
なぜ?と首を傾げ聞き返してしまう。
「次の日、ちゃんと帰るからさ…」
「ど、うして?」
ぽつりと聞くみずき…それはBOUSに泊まるって事…?
「…はぁ、そのくらい察してくれたらいいのに…」
「す、すまない…」
溜息をつくアキラ、何も考えずに聞いてしまって反省するみずき。
「…オレだってツライから辞めたいんだけど、みずきが仕方ないって言うなら…でも、オレ毎回、撮影後に誘われるんだよな、だからそれから帰るのはダルイし…夜、不用意にBOUS内歩いて帰りたくないし、だからBOUSの個室に泊まって帰りたいんだ…」
丁寧に説明する。
ともだちにシェアしよう!