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第122話

「…オレ、働いてるんだよ、モデル」 「えっ…モデル?」 驚きオウム返しする。 「そう、けっこう前に駅前でスカウトされて…ファッション雑誌で、若年層ブランドスーツとかカジュアルウエアとかの写真モデル。オレ身体にキズあるじゃん、だから夏物できないんだけどね…生活する分のお金くらいはあるよ」 微笑み答えるルード。 アキラは驚きながら… 「すごいな…え、じゃ、雑誌に載ってるんだ、ルード」 興味を持って聞く。 「うん、今度最新号持ってきてやるよ、なんか、凄いんだぜ…自分じゃないみたいで…」 「へぇ…」 「メイクしてさ、ブランド物なんか一点、値段25万くらいするし…」 ルードは楽しそうにアキラに話す。 「だって俺、そんな高いスーツとか着たことないしさぁ、すっげードキドキして…」 力説するルードを微笑ましく見てアキラは… 「楽しそうだな…オレ、余計な事したかな…」 そうぽつりと呟く。 「え?何を?」 首を傾げ聞き返してくる。 「中学行けってさ、ルードならその道でやっていけるかもしれないよな…」 学校に行くように勧めた事を言って… 「ううん、前から言ってるだろ、俺の夢…」 「…料理を教える先生だろ、だから調理師の資格も取りたかったんだよな…」 「そう、だからアキラには感謝してる…」 「……」 静かに聞いているアキラ。 「やっぱさ、中学行ってないと高校も行けないし…料理の先生になれないからな。今の中学校には…もう行きたくないけど、三学期からはアキラの紹介してくれた中学行くように決めてるから、ホントありがとなアキラ」 振り返ってそう笑う。 「…どーいたしまして…って、オレは何もたいしたことはしてないけどな…ルードがしたいようにすればいいよ…」 「うん…それにモデルは、けっこう内部抗争激しいから…俺とか新入りでランク高いブランドものとかイキナリやってるから目つけられるし…」 料理の手を休めることなく話すルード。 ジュージューと炒めるいい音が聞こえてくる。

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