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第126話

「だって、可愛いんだもん。きれいだな…緑の瞳…」 そっとルード見つめられて… それでも…このルードの腕の中に心地よさを感じてしまうアキラ。 「…っ、ルード…勉強、続きやろう!」 澄んだ空色の瞳に見つめられると…いけない気分になってしまう。 アキラは、さっと起き上がりながらルードに言う。 「アキラ…俺とキスしたくないんだ…」 すっと表情を曇らせる… 「えっ…ルード…」 ルードの問いに困ってしまう。 大好きなルードとのキス…したくないわけない… けど…。 「そっか…」 ぽそっと呟いてルードは起きあがる。 「ルード?」 無表情のルードを見て少し不安になるアキラ。 「…俺、帰るよ」 静かに言って教科書類を片付けはじめるルード。 「ルード…」 慌てて名前を呼んでしまうアキラだけど… ルードは溜息をついて立ち上がる。 「…待ってルード」 つい呼び止めてしまう。 ルードはアキラを見て… 「アキラも…みずきと同じように、俺なんか邪魔者なんだよね、わかってるけど…」 俯き言葉にするルードを見てアキラは… 「違う、ルード…」 すぐ否定するけれど… 「バカだな…俺、アキラはいつでもオレを待っていてくれてるって、勝手に思ってた…」 薄く笑いながら言う。 「もう、俺の帰る場所はココじゃないんだな…」 ルードの言葉を聞いていると心が痛くなるアキラ…。 まだ中学生なのに家族の温かさもないアパートに一人住んで、モデルをして働いている。 友達の親を保証人にして… そんなルードがオレの所へ帰って来てるのに… 「…ルード」 アキラは…ルードに近づいて、そっと髪へ触れる。 やはり見上げるカタチになるけれど… アキラは静かに瞳を閉じて…ルードに、くちづけする。 「アキラ…」 アキラは微笑んで… 「キスしたくないわけないだろ、オレはルードのこと好きなんだから…」 そう伝えて…頭を寄せる。 「色々支えてやりたいし…困ったときは頼ってくれればいい、でも…」 少し言い詰まる。

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