127 / 213
第128話
ルードは指で抑えながら続ける。
「…誰がつけたの?」
無表情で問うルードに押されぎみになるアキラだが…
「…みずきだよ」
あえてルードに本当の事を言う。
「!」
その言葉を聞いて、アキラを見返す。
「…ルードには、はっきり言ってなかったけれど…付き合ってるんだ、オレたち…」
静かに伝える。
ルードの心を逆撫でしてしまうだろうな…と思いながら。
「…ルード、オレはさ、一度…みずきを酷くキズつけて振ったことがあるんだ。色々あって…それでも、みずきはオレの事を選んでくれて…もう、みずきをキズつけたくないんだ…」
この状況で言っても、分かってもらえないだろうな…
オレの言い分は、勝手なわがままなんだ…
ルードにやられるってこと…
半分は嬉しい、でももう半分はプライド的にもショックな事だから…
みずきを理由に逃げようとしてる。
アキラの言葉を無言で聞いていたルードは…
「アキラ…俺のコト好きなんだろ?でもアイツと付き合ってるから俺とは寝れないって…?」
すっと離れながら、思ったより落ち着いた口調で返してくる。
「…それだけじゃ、ないけど…」
ポツリと呟くアキラ。
「…今はダメってこと?」
ルードなりに考えて答える。
「ルード…」
「アキラ…俺、アキラとやりたいけど…今すると絶対アキラ、アイツの事考えるだろ?そんなの嫌だもん…」
子どもっぽく言うルード、そして続けて…
「だから…俺だけ見てくれるまでやめとく…」
そうアキラを見つめ微笑む。
しかし、またキツイ目つきをするルード…
「…でも、アキラを好きなようにできるアイツはムカツク!アキラの綺麗な身体に、こんなアトつけて…許せない…」
ルードは言いながらアキラに触れる。
「…悔しいから」
ルードは呟いてアキラと唇を重ねる。
何?と思いながらも、その行動に大人しく流される。
キスを何度か繰り返した後…
吸血鬼のように唇を首すじへと触れさせキツく吸いつくルード。
「痛ッ…ルード!?」
驚いて名を呼ぶ。
「俺も…アトつけとく、アイツだけなんて贅沢すぎる…」
アキラの髪をとき囁くルード…
アキラの白い首すじには、ルードがつけた赤いアトがしっかりついている。
色白なアキラだけに、かなり目立つ…。
「……」
少し呆然としてしまうアキラ…
ともだちにシェアしよう!