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第129話

「…怒った?アキラ」 ふと聞かれて… 「…ううん、ごめんな…ルード」 急に謝るアキラを見てルードは… 「ん?」 優しく聞く…。 「……、ルードに会って…それで、昨日の今日で自分の中でも、気持ちを整理出来てないんだ、こんな答えしか言えなくてごめん…」 ルードの髪に触れて答える。 「…いいよ、俺だって勝手なんだし…お互い様だろ?」 そう笑うルード。 「ま、あんまりやらせてくれないと…待ってられなくて襲っちゃうかもな、俺」 からかうように言い、もう一度フレンチキスをアキラにして離れる。 「…ホント、ルードは中一とは思えないよな…悪いコト教えたな、オレって…」 くすくす笑ってしまう。 「…気持ちイイことの間違いだよ。はぁーぁ、何か勉強する気失せたなぁ、今何時?」 アクビをひとつして問うルード。 「…えっとー、四時半だな…」 時計に目をやり答える。 「アイツ、今日何時に帰って来るんだ?」 「ん?みずき?あと一時間ってとこかな…」 アキラの言葉を聞いて… 「えー、そんなに早く帰ってくんの?」 「今日は早く出たからな…そういう日は夜も仕事だし…」 思い出しながら答えるアキラ。 「夜いないの?アイツ…」 「いないけど四時間くらいしたら帰ってくる、だいたい寝てるなオレは…」 アキラの言葉を聞きルードは… 「四時間もあったら余裕で1、2回できるよ?エッチ」 瞳を覗いて笑い言う。 「ルード…」 困った子だ…というように笑って名を呼ぶアキラ。 「マジマジ、その気になったらTelして?ナンバーこれ」 そう言うと携帯ナンバーを見せてくる。 「そ、だな」 アキラはなだめるように頷く… 「うん、じゃ、俺そろそろ帰るな、みずきの奴に会いたくないし…」 カバンを持って立ち上がる。 「あぁ、ホントごめんな…」 アキラも見送るように立ちあがる。 「…アキラって、本当、変わったね。何でだろ…アイツのセイ?」 小さく可愛くなったアキラを見降ろしてつぶやいてしまう。 「…オレはオレだよ」 そう綺麗な顔を微笑ませる。 「そっか…ま、いいや…みんな変わるのがあたり前なんだよね!」 「そうだな…」 変わるのがあたり前… ルードの気持ちもみずきの気持ちも変わっていく… その時…捨てられて自分が傷つきたくないから…深く関われない… 自分勝手なだけ… アキラはそう思いながら… ルードを見送る。 別に…みずきに遠慮せず、やらせてあげてもいいのに、しないのは、そういう思いがあるから… 深く関わりたくない… それはみずきも同じことなのだけど…

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