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第130話

ルードが帰ってから一時間… 時間通りに帰ってくるみずき。 寄り道してない証拠だ。 「ただいま…アキラ」 いつものように傍に来て…優しく声をかけ、頬に触れアキラにソフトキスをする。 「おかえり…冷たい手だな、みずき」 12月も中頃、相当、外は寒いんだろうな…と思って言葉にするアキラ。 「あ…ごめん、冷たいよな…」 そう詫びながら手を放すみずき…ふと、視線が首すじへと下がる。 (気付いたよな…みずき…) みずきの動きを心で捕らえながら、反応を待つ。 「…これ、どうした?」 首すじの赤いシルシを指して静かに問ってくるみずき。 アキラはみずきの瞳を見つめ…。 「…ん、今日さ…またルードが来て…」 その言葉を言った途端、ガシャとみずきはもう片方の手に持っていたバイクのキーを床へと落とす。 「…みずき?」 明らかに動揺しているみずき… 「あのな、みずきオレ…」 アキラは続けて言おうとするが… みずきは、それ以上聞けなくて…クルリとアキラに背を向けカギを拾う。 「みずき、聞けよ!人の話ッ!」 少し怒りぎみに言うが…。 「…少し待って…」 キスマークを見てみずきはアキラがルードと寝たんだろうと思い込んでしまっていて…感情の高ぶりを静めようと言葉を返すが… 「みずき!オレ、寝てないよ、ルードとは…」 思いっきり誤解が生じているのでムリヤリ伝える。 「…え、」 振り返るみずき… 「今日は…メシ食べて勉強教えて…それから、ルードにカラダ求められたけど…ダメだって言ったら止めてくれたんだ、だから寝てない…」 ありのままを説明する。 「……」 アキラの言葉を聞いてもすぐに言い返すことができないでいるみずき。 「…みずき…?」 呼んでみるけど… 「…本当に?」 そう、疑ってしまう。 「…本当だよッ!」 みずきの言葉に、怒りというか…なんだか悲しくなり、キッと睨み返す。 「…そーだよな、こんなオレなんか…信じられないよな…いいよ、勝手にやったと思ってれば?」 視線を下げて怒ったようにみずきに言い返す。 「違、ごめんアキラ…」 アキラを怒らせてしまう事が恐いみずき… 横髪に触れ、慌てて謝るが… 「触んなよッ!」 その手を避けながら煩気に言い、みずきから離れる。

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