130 / 213

第131話

「…アキラ」 へそを曲げてしまったアキラをみて困ってしまうみずき。 「アキラ…食事作るから、食べよう?」 食べ物に釣られるようなアキラじゃないのは分かっているけれど、話題転換してみる。 「……」 一度ヒネてしまうと扱いがなかなか難しいアキラ。 無視されるけれど… 夕飯を作りはじめるみずき、夜も仕事なのであまり時間がないのだ。 作り終わる頃には次の仕事出時間が迫る。 「アキラ…食べるか?」 優しく問うみずき。 しかし… 「……いらない」 ややあって視線も合わせず、ぽそっと答える。 その態度にも優しく言葉を返すみずき。 「…じゃ置いておくから、必ず食べてくれよ…俺は仕事行くから」 心配ながらも仕事に行かなくてはならないので…そう伝える。 自分だけ取りあえず軽く食べて…。 「行ってくるよ…アキラ」 そっと言葉をかける。 「…早く行けよ」 そう言われて… 「あぁ…」 頷いたものの、冷たく追い出されると、なんだか悲しくなる。 アキラはルードと楽しい時を過ごしたのか…? 好きな相手と一緒だったんだから…楽しくないわけないよな、すぐ怒らせてしまう俺とは大違いなんだ… そんな事を思いながらも職場へと行くみずき。 また部屋にはアキラひとり… しばらく、ぼーっとしてしまう。 ふと気になって、みずきの置いていった食事に手をつけ始める。 「はぁ…」 軽く溜息をつくく… みずきにとってオレはそういう人間なんだよな… 信じるとか信じないとかじゃなく… ルードと簡単にやってしまえるような人間… そんなことなら…ルード、怒らせてまで断った自分は何だったんだろう。 悲しいと言うか…虚しい気持ちになるアキラ。 『その気になったらTelして…』 頭に浮かぶ言葉… 呼んだら、来るんだろうかルード… でも呼べばSEX、OKしたことになるんだよな。 なぜか、みずきに…反発したくなるアキラ。 食事を終えてアキラは…電話をかける。 ルードのケータイへ…。

ともだちにシェアしよう!