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第133話
ルードのその言葉を聞いて、急に怒りが込み上げてくるみずき。
「っ…!」
ルードに近づき…胸元を掴んでアキラから引き放す。
「みずき!やめろっ!」
殴り合いになるのかと思って慌てて止めるアキラ。
「ひとりじめなんてずるいだろ、減るもんじゃなし、いいじゃんか…」
みずきを睨み、さらに続けて言うルード。
「ッ…」
アキラに止められたとはいえ、殴りたい衝動でいっぱいになるみずき。
「なんで?みずきもおかしいよ、アキラは綺麗で好きだけど、何でそこまで大切にしなきゃならないんだよ、今だってあんたを裏切ろうとしてるのに…そんなに価値がある?マジメになったら裏切られるだけだぜ!」
アキラを目の前にして…
ルードは呆れたように言う。
「ルードッ!」
みずきは怒って、その言葉を止めるよう名前を呼ぶ。
「……」
アキラはただ言われたことを無表情で聞いている。
「…あんたもエッチの相手くらいに思ってればいいんだ」
さらに続ける。
「ッルード!!」
あまりの言いようにみずきは拳をつくり殴ろうとするが…
「やめろ…みずき、本当の…ことなんだから…」
二人の間に割って入り、拳を向けるみずきを止めるアキラ。
大好きなルードに、そう思われていることに、少なからず胸が痛むけれど…
自業自得なんだから何も言えない…。
「…アキラ」
「……」
ルードから手を放し…
みずきは…
「俺は…お前を殴れない、本当は殴り飛ばしてやりたいけれど…アキラが、悲しむから…」
そうルードに伝える。
「そうかよ!」
ルードはアキラを押しのけみずきに殴りかかる。
「っ…」
みずきはその拳を片手で受けとめる。もう片方の手も握り…
そのままルードの両手をぐっと握り込む。
「…っ!」
ルードは、みずきの本気の力に抑えられ引こうにも動けなくなる…。
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