132 / 213

第133話

ルードのその言葉を聞いて、急に怒りが込み上げてくるみずき。 「っ…!」 ルードに近づき…胸元を掴んでアキラから引き放す。 「みずき!やめろっ!」 殴り合いになるのかと思って慌てて止めるアキラ。 「ひとりじめなんてずるいだろ、減るもんじゃなし、いいじゃんか…」 みずきを睨み、さらに続けて言うルード。 「ッ…」 アキラに止められたとはいえ、殴りたい衝動でいっぱいになるみずき。 「なんで?みずきもおかしいよ、アキラは綺麗で好きだけど、何でそこまで大切にしなきゃならないんだよ、今だってあんたを裏切ろうとしてるのに…そんなに価値がある?マジメになったら裏切られるだけだぜ!」 アキラを目の前にして… ルードは呆れたように言う。 「ルードッ!」 みずきは怒って、その言葉を止めるよう名前を呼ぶ。 「……」 アキラはただ言われたことを無表情で聞いている。 「…あんたもエッチの相手くらいに思ってればいいんだ」 さらに続ける。 「ッルード!!」 あまりの言いようにみずきは拳をつくり殴ろうとするが… 「やめろ…みずき、本当の…ことなんだから…」 二人の間に割って入り、拳を向けるみずきを止めるアキラ。 大好きなルードに、そう思われていることに、少なからず胸が痛むけれど… 自業自得なんだから何も言えない…。 「…アキラ」 「……」 ルードから手を放し… みずきは… 「俺は…お前を殴れない、本当は殴り飛ばしてやりたいけれど…アキラが、悲しむから…」 そうルードに伝える。 「そうかよ!」 ルードはアキラを押しのけみずきに殴りかかる。 「っ…」 みずきはその拳を片手で受けとめる。もう片方の手も握り… そのままルードの両手をぐっと握り込む。 「…っ!」 ルードは、みずきの本気の力に抑えられ引こうにも動けなくなる…。

ともだちにシェアしよう!