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第138話

『それにしても…今のは誰?…恋人、出来たの?一緒に暮らしてるとか…?』 「うん…」 少し照れたように笑う。 『ちゃんと私にも報告してくれなきゃ』 「うん…ごめん」 『仕方ないね、でも、元気そうで良かったわ』 受話器の向こうの声までは聞き取れないアキラ。 ……けど、普段、他人には無愛想なみずきが、あんなに親しく話して、笑顔を見せている… 目の前で嬉しそうに話すみずきを見ていると、なんだか腹が立ってくる。 みずきはそんな様子には気付かず続けて話す。 「それで、今日は…」 『そうそう、今年も仕事でアレ、やってるんでしょ』 「あぁ…一応…」 微妙に頷くみずき。 『じゃ、今年もウチの子たちつれて見にいくからね』 「えっ…来なくてもいいよ」 慌てたように言い返す。 アキラは…そのみずきの言葉だけ拾って勘繰ってしまう。 来なくていいって…ここに来るつもりなのか…? アキラは… 誰なんだ? みずきの昔の彼女か?付き合ったことないって言ってたのは嘘? とか、いろいろ考えて… (いくら久しぶりだからって、オレの前で嬉しそうに話すなよな!) 一人、スネてしまう。 そんなコトはつゆ知らず、会話に集中するみずき。 『楽しみにしてるんだから、みずきおじちゃんのサンタさん、24日は仕事?』 「24は休みだよ」 『あ、そうよね…じゃ25日は?仕事、夜の場所変わってないよね』 「うん…仕事、場所も変わってないけど…恥ずかしいから」 『何年やってると思ってるの?』 「いや…見られるのが…」 かなり会話が続いているみずき… 内容が理解出来ないでいるアキラ。 『案外、似合ってるわよ?…白ヒゲがついてたら、もっといいのにね、あの服…』 「仕事できないよ、それじゃ…」 受話器越しに苦笑している。 『ふふ、じゃ、25日夜8時ごろ行くからね』 「えっ…うーん、わかった」 少し困ったように頷く。

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