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第141話

「恥ずかしいなんて思ったことはないよ?…アキラの恋人でいる事が誇りだし…自慢したい」 そうアキラに触れながら静かに伝える。 「……」 そのみずきの瞳を見る。 「…俺はアキラのことを真剣に考えてる、だからいつかは紹介するつもりでいたんだ…けど、姉さんは遠くに住んでて…なかなか会えないから、会える時にと思って…でもアキラが嫌なら無理にはいわないから…」 けれど…できれば…という気持ちで、みずきは続けて言う。 「…うん、わかった。知らないぜ、男だってバレても…」 みずきの真剣な瞳を見てアキラは頷き…そう言い返す。 「…気にすることはないよ、大丈夫。俺が好きになったアキラだから、姉さんもきっと好きになってくれる筈…」 来てくれるという事が嬉しくて微笑んでアキラに伝える。 「…なんだよそれ、そういう問題?」 アキラもクスっと笑みを顔に戻しながら…首を傾げる。 「…そういう問題」 みずきは優しく頷いてアキラに、そっと口づけする。 「……」 みずきは…真剣にオレの事を考えている。 でもオレは…違う。 みずきとは…いつかは、別れなきゃならない。 ただそれが、今じゃないだけで… そう思っているから本気で好きにもなれない、みずきとの気持ちのズレがあるから考えてしまう…。 「アキラ…もう少し、待って、食事美味しいの作るから」 みずきはそう優しく囁く。 アキラはくすっと笑って… 「本当に?ナベ、焦げさせてるみずきなのに」 そう、からかう。 「う…他のは上手く作るから…」 イタイところを突かれて言い詰まってしまう。 「一人で作ろうとしないでさ…一緒につくろ?」 そっと手に触れて、首を傾げてみる。 「えっ」 ドキッとしながらもそのひとの言葉を待つ。 「…みずきの考えもわかるけど、二人で作った方が早いし…待ってるの退屈なんだ。オレが、体調悪い時は頼むけど、そうじゃない時は二人で作った方がいいと思うぞ…?」 そうみずきの瞳を覗く… 「…アキラが、負担にならないなら…俺もその方がいい。一緒に過ごせる時間が増えるから…」 柔らかな指を握りながら、優しい言葉を贈る。 「本当みずきって変わってるよな…ま、みずき一人に料理任せるの不安だし…」 オレといたら疲れそうだけど、一緒にいたいと言ってくれるから。 軽く首を傾げながらも、そう笑って付け足す。 「それは…そのうち上手くなる筈…」 料理のことは、あまり自信を持って言えないみずき。

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