142 / 213

第143話

そして出来上がった夕食をテーブルに並べる。 三品のおかず… 味噌汁と和え物…はなんとかみずきが作り上げ… メインはみずきが焦がしてしまったので、アキラが代わりに、ある材料で一品作ってくれた。 手際よく、なんでも出来てしまうアキラに、尊敬してもし足りないくらいな思いのみずき。 アキラが住み始めてから、新しく購入した炊飯器からご飯をついで…お茶とお箸を並べ… 夕食の準備は整った。 「じゃ、食べよっか」 アキラは明るく声をかけてソファに座る。 みずきもついて座りながら… 「アキラは凄いな」 「ん?何が?」 軽く首をかしげるアキラ… 「なんでも出来て…」 「んー?そんなことねぇよ、力仕事はダメだし、かぼちゃとか硬いもんは手伝ってもらわなきゃだし、まぁ言っても料理はそんなに難しくないしな」 「そ、そうなのか…」 鍋を焦がしてしまったみずきはなんとなくへこむ… 「ま、向き不向きもあるし、みずきは無理しなくていいって、適当に出来てればさ」 軽く励ますようにみずきに言う。 「あぁ…」 「冷めないうちに食べよ、いただきまーす」 箸をとってそう微笑み声をかける。 「そうだな…いただきます」 そんな可愛いアキラに和みながらみずきも箸を取る。 「汁は合格だな!美味いよ」 アキラはみずき特製味噌汁に口を付け、感想を言う。 「そうか、良かった」 ほっと安心するみずき。 「和え物は…少し水っぽいかも…」 アキラは次に和え物に箸を伸ばす。 「そうか…」 アキラの言葉に一喜一憂する。 「もっと最初にしっかり水切ったら大丈夫だと思うよ」 「あぁ、次は気をつける」 真剣に頷く。 「ふ…、オレ先生じゃないんだから…そんな真面目に…」 そんな様子がおかしくて笑ってしまう。 「オレのはどう?甘すぎる?」 反対に聞いてみる。 「いや、凄く美味い」 みずきは小さく首を振って素直に感想を伝えるが… 「お前はいつもそれだな、本当にうまいと思ってる?」 「思ってる、美味いから美味いとしか…」 上手な言い方が思いつかず、困って首を傾げてしまう。

ともだちにシェアしよう!