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第144話

「ふ、口に合わない時は言えばいいからな遠慮せず、そうしないと好み解らないし…」 「あぁ、でも今まで不味いと思ったことないから、アキラは料理が上手だと思うよ」 「そ、アリガト…」 素直にそんなことを言われたら…少し照れてしまうアキラ、小さくお礼を返す。 何気ない会話を楽しみながら夕食を終える2人。 食器の片付けは率先してみずきがやってくれている。 その間に洗濯物をたたんで片付けるアキラ。 日中もみずきが居ないときは洗濯と掃除はアキラの仕事になっていて… 何気に役割分担ができている。 そして、2人でソファに座り、テレビを見てのんびり過ごす。 夜9時前になり、みずきが風呂を沸かしに動く。 アキラはだいたい夜9時頃風呂に入るのが習慣らしく、それに合わせて沸かすようになった。 「アキラ、風呂が沸いたから…」 「ん?わかった」 みずきの呼び声に答えて、ソファから起きる。 「着替えは持って行っているから」 「サンキュ、行こっか」 そう手を伸ばすアキラの手を取る。 「あぁ」 夜間のコンビニの仕事が休みの日は、一緒に風呂に入ることが習慣になっていて… 嬉しい気持ちを抑えながら平静を装い頷くみずき… 2人で脱衣場に向かう。 そんなに広くはない洗濯場兼、脱衣場について、アキラは、みずきに話しながらさっそく服を脱いでいく… アキラと2人で入浴することに未だに慣れなくて、緊張してしまうみずきだが… アキラから視線を外しながら、自分も脱ぎ始める。 「みずき明日は朝と夜仕事だったよな?」 服を脱いで何気なく聞きながら、タオルを持って浴室へ移動するアキラ… 「あぁ」 みずきも答えながら、タオルを腰に巻き、その後を追う。 「そっか」 「髪洗うか?」 そっと聞くみずき… 「ん、お願いしていい?」 浴室の小さいイスに腰を降ろしながら、振り返ってみずきに頼む。 髪を洗う作業が少しずつしんどくなってきているアキラ… みずきがいるときは洗ってもらうことが多くなった。 「あぁ、もちろん…」 裸のアキラが傍にいるだけで、勝手に心臓がドキドキしてしまうみずき。 なんとか理性を保たせながら優しく応える。

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