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第152話
「…寒い?熱上がったかな…大丈夫か?」
気遣うみずきに対して…アキラは不思議そうに尋ねる。
「みずきは…寒くないの?」
アキラは、淡い栗色の髪をおろして…その上から帽子とマフラーをつけて尚、寒いのに…
みずきは頭まわりに何もつけていない、風通しのよい姿だ。
「俺は、それほど寒くないけど…すまない、俺が車、運転できれば…」
車の運転免許を持っていない自分が情けなくなるみずき。
「それは、仕方ないだろ…みずきは働き通しで免許取る暇も金もなかったんだから…」
気落ちするみずきを、なぐさめるようにアキラは言う。
「…あぁ、でも必ず免許を取って、アキラを色々な場所へドライブして連れて行きたい…」
アキラの言葉に元気を取り戻しながら伝える。
「ありがと…嬉しいけど、そのせいで、みずきが家に居る時間が少なくなるのはイヤだな…ただでさえ仕事でいないのに、本当はつまんない」
自分でもワガママだな…と思いながら呟く。
「うん…ごめん、俺もそう思うけれど…今はまだ、仕事を辞めるわけにはいかないから…」
みずきは今も父親の残した負債を返していて…父親の入院費も出しているから、昼夜、働いても金銭的にはギリギリなのだ。
「そうだけど…オレ、少し金出そうか?」
これを言うとみずきは納得しないんだけど…
金ならオレの方が持ってるし…残りの借金全額返済しようと思えば出来ないことないんだけど…
みずきは、それじゃダメらしい。
やはりみずきは首を横に振り…
「…気持ちは嬉しいけど…やはり、俺の親がしたことは俺に責任があるし、アキラに頼る事はしたくないんだ…もう少しで返済は終わるから待ってほしい。勝手でごめん…」
「ううん…分かってるって…」
みずきのそれを勝手だなんて言われたら…
自分が言ってる事の方が何倍も勝手だろ…そう思って首を振る。
「みずきって結構プライドあるよな…」
続けて言い軽く笑う。
「アキラには負けるけどな…」
そうほほ笑み返すみずき…
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