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番外編 藜の苦悩⑥

「久木君……」 銃口を向けるその藜の目は切なげだった 吸血鬼の正体、それは理性を失った久木だ 彼は理性を失っており藜達に威嚇を続ける そして藜目掛け襲いかかる しかし藜は軽々とかわし反撃を開始する 「ぐぁぁぁ!!」 銃で久木の足を狙う すると久木の動きは止まる だがそれでも藜の首筋を狙いすまし襲いかかってくる そして藜の首筋に噛みついた 「藜さん!!」 「いい、いいからこのまま…… そう、飲めばいい 正気に戻れ久木君」 ごくりと藜の血を飲み暫くすると 久木はあっと声を漏らした 正気に戻ったようで酷く焦っている様子だ 辺りを見渡し状況の把握をする どうやら自覚が無かったらしい そして藜から離れ顔を手で覆う 「僕は一体何を…… 藜さん……僕は一体……」 「君が犯人だよ 鬼の正体は君だ」 「………え?」 狼狽える久木に残酷な一言を告げる藜 それに久木はかなり動揺している 彼は自分が犯人であることを知らなかったのだ まさか自分が人を襲っていたなんて絶望的で 彼は泣き崩れてしまった そしてなんてことをと言葉を吐き出す 彼は理性を失い人を襲った いつも患者から血を抜き取って飲んでいる久木 しかしそのごくわずかな血の量だ 当然のごとく足りなくなってしまう そして血の足りない彼は理性を失い人を襲う鬼と化してしまった しかし理性を失ってもなお村人を愛する久木 無意識の内に致死量の血を飲むことはしなかった そして藜がこの村に来て一月何もなかったのは 藜の血を飲んだから 人の血とは異なり不思議な能力がある吸血鬼の血で 理性を保っていた しかし藜が村から去って再び血が足りなくなってしまったのだ しかしながらこの村に来るまでは何ともなかった それはここに来る前はもう少し血を得ることが出来ていたからだ ここより大きな病院に勤めていた彼はもっと多くの患者から血を得ることが出来ていた しかしここは人が少ない 故にここに来て理性を保てなくなってしまったのだ これが今回の事件の真相だった 「残念だ久木君……」 藜は座り込んだ久木の前に立ち銃口を向けた

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