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番外編 Clan

八尋と過ごした日々は終わりを告げた 悲しみに暮れる中 まだ癒えぬ傷を引きずりながらもルシェルとの約束を果たす為再びこの大きな屋敷へと戻ってきた 相変わらずこの壮観な屋敷に感心する浬 これからずっとここで過ごすのだ クロー一族の吸血鬼として そして大きな扉を開ける するとそこにはルシェルの姿がある 浬を待っていたらしい 彼は浬の元へゆっくりと歩いてくると そっと頬を撫でた 「お帰り」 「うん、ただいまルシェル」 「疲れたでしょおいで」 話もそこそこに二人はリビングへ向かった そこには懐かしいアンディの姿がある アンディは軽くお辞儀をしお久しぶりでございますと挨拶をした 浬も笑顔で久しぶりと挨拶を返す アンディはすぐさまお茶とお菓子を用意した お菓子は美味しそうなクッキー 浬は1つ手に取り口に含む 「美味しい アンディが作ったの?」 「はい お気に召していただけたようで何よりです」 美味しそうにクッキーと紅茶を頬張る浬だが やはり元気がない 八尋がいなくなって心にぽっかりと穴が空いてしまった 大切な者の死は本当に辛い するとそんな浬を見かねてルシェルがクスリと苦笑いをした 「だから言ったのに 人と同じ時間は生きられないって」 「それでも八尋との時間は有意義なものだったよ」 「有意義ねぇ…… ははっ、俺には分からない」 八尋との時間は決して無駄なものじゃなかった 楽しいこと苦しいこといっぱい経験させてもらった 小さなことで喧嘩したり嫉妬したり かと思えばすぐ仲直りしたり 吸血鬼から見ればくだらない思い出だと笑われるかもしれない でも浬にとっては大切な時間だった 「きっとルシェルにも分かるときが来るよ 人は尊い」 「それはどうだか 俺は人に興味を持てど尊いなどと感じたことはない 尊いと思うものはお前だけだね」 「ルシェル……」 そう浬の頬を撫でながらそう言った 確かに尊いと感じるものなど人それぞれだ でもそれでいいと思う ルシェルにはルシェルの守りたいものがある ここに来る前に八尋と話をした 八尋の亡き後ルシェルの元へ行くと…… 八尋は笑顔でいいよと言ってくれた きっと心の中は穏やかじゃ無かったはず それでも浬の幸せを願って頷いてくれた

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