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第18話

久しぶりに帳と一緒に寝て朝はスッキリした目覚めになった浬。 それでも陽光は相変わらず目を射して痛いものだ。 目を瞬かせながら部屋を出て洗面所で顔を洗ってリビングへ行くと既に帳と八尋がいた。 「おはよう浬。 よく眠れたか?」 「おはよ…… うん、眠れた。」 「そうか、良かった。」 帳と挨拶を交わし席に着く。 そこに帳が朝食を持ってくる。 「おはよ八尋……」 「…………」 次に浬は八尋の方に視線をやり挨拶をするが返事をしてくれないどころか一切こちらを向いてはくれなかった。 やはり昨日の事があり浬を信用していないようだ。 けれど一応ちゃんと謝るべきだと浬は再び話しかける。 「あの……昨日はごめんなさい。」 「…………」 やはり八尋からの返事はない。 分かっていても少し寂しい。 それでも仕方無いと割りきるしかない。 朝食も食べ終わり学校へ行く時間になった。 登校するときはいつも八尋が先に出て少し遅れて浬も登校する。 八尋から同じ家に住んでいると誰にも知られたくないと言うから家を出る時間をずらしている。 教室に入っても八尋と会話を交わすこともない。 しかし浬はいつも八尋を目で追っていた。 彼は浬に対して嫌悪感を露わにするも他の人にはそれはない。 それどころかいつも楽しそうに話したり女子が重い荷物を持っていればぶっきら棒だけど持ってあげたりと優しいのだ。 そんな彼を見て浬は多少なんで自分には、と思うこともあるがそれよりも本当は優しくていい人なのだと感心するばかりだ。 それに比べ自分は人とのコミュニケーションが上手くとれなくて羨ましいと思う。 「なぁ聖城、お前っていつも日向を見てるよな。」 「え?」 話しかけてきたのは浬の後の席に座る津田啓太だ。 彼とは特に話したこともなく急に話しかけられて言葉に詰まる。 「いや何となくさ、 お前って日向を意識してるなぁ~って。」 「そうかな?でも俺と違って誰とでも仲良くなれてすごいなって………」 「ああ、そうだな確かにお前は顔はいいのになんか根暗ってかあんま喋らないし 逆に日向は気さくな感じで男女関係なくモテモテだよな~羨ましい。 あ、てかごめん……根暗とか言って。」 「いやいいよ、本当の事だし。」 本当の事だ。 根暗で友達もいない。 話しかけてられてもどう返していいかわからず気の利いた事言えないから皆離れていく。

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