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第21話

八尋に触るなと、関わるなと言われた もう痛くないはずの手がまだじんじんとする気がする どうすれば仲良くなれるのか色々考えてみたが多分無理なんだと思う やはり吸血鬼と言う血が邪魔をするのだ 家に帰っても八尋はすぐに自分の部屋に戻っていて出てくる気配はない 八尋が来る前よりも独りに感じる 「帳早く帰ってきて……」 独りで寂しくて冬でもないのに寒い 浬は帳の部屋にいってベッドの中に潜り込んだ 帳の臭い、落ち着く……… そのまま浬は眠ってしまった 『浬………… 浬……』 誰? 『浬……』 ああこの声、懐かしい……… 大好きでこの人だけが自分の全てだった 何処? 会いたい…… 藜 『ごめんね、浬 お前とは一緒にはいられない』 藜?待って!! 何処行くの?待って!! 「待って!!」 目を開けると浬は帳のベッドの上 外はもう陽が沈み暗くなっていた どうやら浬は夢を見ていたようだ ふと思い出すとまだ夕飯の準備をしていなかった 浬は慌てて夕食の支度をしようとリビングへ向かう するとそこには帳の姿があった 「浬、どうした?まだ夕飯作ってないのか?」 「ごめん……寝てて……」 「そうか、まぁいい今から一緒に作るか」 さっき見た懐かしい藜の夢 けれど彼は何処かへと消えてしまった どうして藜は自分を置いて何処かへ行ってしまったのだろうか? 「ねぇ、帳」 「なんだ?」 「藜はどうして俺を置いて行ったのかな? 俺が邪魔、だったのかな……?」 「………はぁ、何を言い出すかと思えば…… あの人は何か考えがあって私に託したんだ お前を危険に晒したく無かったのだろう だからそんな考えは捨てろ」 「………うん」 帳にそう言われても浬の心は晴れなかった 藜が何か考えがあると言われてもそれは憶測でしかない そもそも帳は自分を迷惑だと思っていないだろうか? 帳の心を知りたいが知ってしまうのが怖くて聞けなかった

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