22 / 135

第22話

浬はここ数日ずっと悩んでいた 帳にとって自分は世話のかかる迷惑な存在ではないかと…… 現に帳に役に立つような事など出来ない だから藜も自分の傍を離れたのではと考えてしまう 本当に自分はここに居てもいいのだろうか? 八尋だって自分を疎ましく思っていると言うのに 浬は帳と八尋が庭で戦闘の訓練をしているのを家の中から眺める 今日は土曜日で学校は休みだ だから朝から八尋は帳に訓練を受けている 柔軟な動きで刃がゴムでできた短剣を持つ帳の攻撃を交わしている 「凄い……」 華麗に交わし帳の持つゴムの短剣で帳に攻撃を仕掛ける しかしそこは帳の方が上手 八尋の攻撃を交わして腕を掴み一回転させ地面に落とす 「まだまだ攻撃が短絡的だ もっと頭を使え」 「分かってる」 「とりあえず今日はこれくらいで終わりにするか」 帳と八尋は訓練を終了し家の中へ入る すると浬がやって来てタオルを持ってきて渡す 「ありがとう助かる」 「俺はいらない今からシャワー浴びるから」 「おい八尋そんな言い方―――」 「帳、大丈夫……大丈夫だよ」 八尋は持ってきたタオルは受け取らず浬と目を合わせることもしないままシャワーを浴びに行ってしまった 帳は溜め息をつき浬に悪いなと謝る 別に帳が謝る事じゃないのにと浬は心の中で呟いた 少しでも役に立ちたいと思ってした行動だったが八尋にとってはいい迷惑だったのかと思うと浬は悔しくも感じた 藜に置いていかれ、八尋に嫌われ、帳は何も言わないでくれる、むしろとてもよくしてくれる しかし自分は帳に何も出来ない 本当に自分は無能だと浬は嘲笑する ここが自分の居場所では無い気がする ここにいても何の役にも立たない この日の夜帳のベッドの中 隣には帳がいる 「ねぇ帳」 「ん?」 「俺、ここにいていいのかな?」 「……なんだ急に?あたりまえだろう ここがお前の居場所だ 八尋が何を言っても気にすることじゃない あいつはただ心の整理がついていないだけだ お前が八尋の兄を襲った奴とは違うことはあいつもちゃんと分かってる もう少し時間がかかるかもしれないが待っててやれ」 「………うん、分かった」 この時帳はもっと浬に気を配るべきだったとあとになって後悔することとなる

ともだちにシェアしよう!