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第33話

どうにか彼の真意を探りたいのと藜の手がかりを掴みたい帳 しかし彼は余裕の笑みを浮かべていて何を考えているのかが読めない だがここで彼を帰すなどできない それには何をすればいい? 帳は色々と考えを巡らせる 「今一度問う、藜さんは何処にいて何をしている?」 「だから知らないって」 「ならば浬に接触したのは何が目的だ?」 「それもただこの子が可愛くて面白い子供だったからで他意はないよ」 何を聞いてもこの調子だ しかし彼の心の奥底はどうなのかは分からない 浬も彼が普通の吸血鬼ではないことくらい分かっている筈だ だが浬はこの吸血鬼の傍に行き恐らく彼の血を飲んだだろう 浬が飲んだ血からはこの男と同じ気配がする そして再び帳は彼に銃口を向けた 「何のつもり?」 「答えないのであれば少々痛め付けた方が良いと」 「なるほど」 正直帳は一対一で彼に勝てるなんて思えない 相手は上位の吸血鬼下手したら一瞬にしてこちらが殺られる 気を張りつめルシェルの様子を伺う 相変わらず相手はヘラヘラと笑みを浮かべている 「ねぇ君さ、浬をどう思ってるのかな?」 「何?」 思っても見ない質問に帳は一瞬気が抜ける しかし再び相手に集中する 「だから浬を幸せにする気はあるのかって聞いてんの」 「……勿論浬には幸せになる資格がある 私も彼の幸せを考えている ……一体何が言いたい?」 「ふ~ん………… でも本当にここにいて幸せになれる?」 「何だと?」 ルシェルの言葉はいちいちトゲがあり癇に障る それに何を聞きたいのかよく分からない 浬の幸せ?それは帳が願っている事だ それなのに何だ? 彼はまるで浬がここにいては幸せになれないような言い方だ 「俺はさ、この子を愛してしまったんだ あの時からずっと……… だからここでこの子が幸せになれるならいいと思ってたんだけどね~ どうも無理みたいだし」 「こいつがそう言ったのか?」 「いいや、この子は絶対言わない でも血が足りなくなったりしててそろそろ壊れそうになってんだもん」 知ったようなことを…… 帳は心の中でそう呟くが考えてみれば確かに最近の浬は八尋の事があったり心が疲弊しているのは事実 だとしてもどうすると言うんだ?

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