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第35話
帳の元から自分の屋敷へと帰ってきたルシェル
帳の家より倍は広いこの屋敷だが使用人は僅か一人
ルシェルは他人と住むなどあまり好きでは無いため
信頼のおける付き人にやらせている
「お帰りなさいませ旦那様」
「ああ……」
ルシェルの付き人アンドリュー
通称アンディ
彼は長年ルシェルの元にいて身の回りの世話をしている
ルシェルは昔からの付き合いのあるアンディには心を委ね頼っている
アンディはルシェルの脱いだ上着を受けとり綺麗にたたみ腕にかけルシェルの後を歩く
そして彼の後ろにピタリと付き用件を伝える
「旦那様現在ルイス様がお見えになっております」
「………そう、分かった」
それだけ伝えるとアンディは歩くのを止め一度深くお辞儀をしルシェルを見送った
そしてルシェルは応接間に行く
そこには少し小柄で童顔な青年が待っていた
彼はルシェルの姿を捉えるとぱぁっとひょうじょうを明るくし駆け寄って抱きついた
そんな彼にルシェルは笑みを浮かべそっと背中に手を回した
「ルシェル兄さま会いたかったです」
「まだこの前会ったばかりだけどね」
「出来ることなら毎日会いたいんです」
ぷぅと頬を膨らませ拗ねるような態度をとる彼は
ルイスと言う名の吸血鬼
そしてルシェルの弟だ
弟と言っても腹違いの弟だ
彼はルシェルの事を大変好いていてこうしてしょっちゅうルシェルの元に来ている
それでもずっと傍にいたいと一緒に暮らしたいと申し出るがいつも理由をつけてはルシェルに断られている
「兄さま………」
ルイスはルシェルの首に手を回し背伸びするとルシェルは彼の唇にキスをする
舌を絡めとり上の歯をなぞり彼の口の中を犯す
「ん……はぁ……は…ん……」
そしてジリジリとルイスの後ろへ下がっていって応接間のソファにルシェルを押し倒した
それでも互いにキスに夢中だ
そして漸く離れルシェルが彼の耳元で囁く
「ルイス……おいで………」
「………っ、はい………」
耳元で喋られてビクンと感じてしまうルイス
彼の甘い声はルイスの身体全体を犯す
まるで麻薬のようだ
ビリビリと痺れてそれがまた心地よい
そしてルシェルの妖艶で美しい容姿がまたルイスを興奮させる
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