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第41話

浬がルシェルと会っている最中八尋は友達と遊びに行っていた 買い物をしたりファストフード店で食事をしたりと 休日を目一杯楽しんだ 「じゃあなー日向」 「おーまた明日ー」 友達と別れ帰宅の途に着いたその帰り道のこと…… 気配の不気味な男が道端に立っていた 美しい容姿だが何処か冷たい雰囲気 八尋はこの気配を以前にも体験していた 間違いない、吸血鬼だ そう思ったときには遅かった 男はいつの間にか八尋の目の前にいて 不気味に漂わせる殺気は身体の奥底から鳥肌が立つほどに恐ろしく感じた それでも八尋は冷静を装う 「………っ」 「なぁお前この辺りに協会があるのしらねぇか?」 「……っ 協会になんのようだ吸血鬼」 協会を探す相手に咄嗟に八尋は吸血鬼と言った 吸血鬼は一般の人は知らない存在なのだ 故に吸血鬼は八尋が協会の人間なのだと判断する 相手の表情は険しいものになり瞳を赤くし、八尋を睨む 「ほう……お前は協会の人間か 丁度いい、道案内をしてもらおうか 協会の人間に恨みがあるんだ」 「誰が案内なんかするか てめぇはここでくたばれ!!」 そう言うと八尋は服の下に隠し持っていた短剣を取りだし相手に攻撃する この日を待っていた、やっと吸血鬼に復讐できると 八尋は恐いながらもわくわくしていた しかし八尋の攻撃はいとも簡単に避けられ逆に相手が拳で攻撃される 何とか腕をクロスさせ防御するが思ったよりもダメージがあり腕にヒビが入ったのではないかと思うほどだ 「ほう……なかなか強いなお前」 しかし今は腕を気遣っている暇はない すぐさま相手が再び攻撃を仕掛けてくる 八尋はギリギリと所でかわすが相手の爪が頬を掠める だがそんなことを気にする間のなく次の攻撃を仕掛けてくる 「クソッ………」 かろうじて避けている八尋だが 何とかこちらから仕掛けないとと探っているが相手に隙がない いくら帳に鍛えられたとはいえこれほど苦戦するとは想定外だった 八尋の今の実力ならば下位ならば仕留められる筈なのだが逆に八尋が攻めこまれている ならば相手は中位以上である可能性がある 八尋はどうにか打開しなければと考えるあまり 石につまずき足をとられバランスを崩した 「やべっ!!」 そして吸血鬼はニヤッと笑うと同時に血が舞った

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