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第43話

早く、早く行かないと…… 浬は息を切らしながら八尋の血の臭いがする方へ走る 大分近づいてきたのか血の臭いが濃くなる お願い……無事でいて…… そう心の中で願いながら走る そして遠くから一人の男の姿を捉える そのすぐ横には八尋が膝を着いて脇腹を押さえている そこから血が流れていた 「八尋!!」 浬は大きな声で八尋の名を呼んだ その浬の声の方に八尋と吸血鬼が視線を移した 浬の姿に八尋は目を見開いて驚いている まさか浬がここに来るなんて思ってもみなかったから…… 「なんだ…半ぱ者か?」 浬をみただけで吸血鬼は浬が半吸血鬼だと言うことに気付いた そして弱った八尋を置いて吸血鬼は浬に狙いを定めた 「馬鹿、お前逃げろ殺されるぞ!!」 八尋は浬が戦えないと思いそう叫ぶ しかし無情にも吸血鬼は浬の目の前にやって来る そして浬目掛け手を振りかざす 直後浬は地面にダイブするように避け地面に転がり込む しかし吸血鬼の攻撃は止まらない 浬は転がりながら避ける だが今度は吸血鬼の足が浬の脇腹を蹴り地面に倒れこんだ そしてとどめを刺そうと浬の方へ寄る 「止めろ!!」 止めろ、八尋は叫んだ 八尋は思った 吸血鬼が今殺そうとしているのは自分の憎む吸血鬼だと しかし止めろと確かにそう言ったのだ それに自分自身でも驚いたいた だが今はそんなことを考えている暇はない なんとか吸血鬼を浬から引き離さねば 八尋はどうにか自分へと意識を向けさせる 「きたねぇ吸血鬼が 死ね!!殺してやる」 「ほう、そんな傷を負ってでもまだ抗うか ならばお前から殺してやる」 吸血鬼は浬から離れて八尋の元へと歩いていく 「ダメ……止めろ 逃げて八尋!!」 考えているぱ必死に叫んで吸血鬼を止めようとするも浬の言葉には一切耳を貸さず八尋の元へゆっくり向かっていく そして吸血鬼は八尋の前で止まる 「やめっ……ダメ……八尋逃げて 早く、八尋ー!!」 慌てて八尋の元に駆け寄る浬 そんな浬の目の前で吸血鬼は手をあげる 「やひろ―――!!」 そして大量の血しぶきが飛んだ

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