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第46話

帳は焦った 任務を終え協会に戻ると慌てて職員が駆け寄ってきた そして信じられないことを聞いた 「なん……だと………!!」 八尋が怪我をして病院に運ばれたとのこと どういう状況なのか詳しくは上層部へ聞けとのことだ 帳は慌てて会長の元へ駆けつけた 「会長八尋が病院に運ばれたそうですが 何があったのですか!?」 「まぁ落ち着け 取りあえず命は取り留めた 安心しろ」 「…………そう、ですか……」 命は取り留めたという言葉にホッとした 何故八尋が怪我を負ったのか聞くと どうやら他の討伐隊が取り逃がした吸血鬼が八尋を襲ったようだ それも中位の吸血鬼 八尋が相手をするには少し厳しい相手だ それでも命があって良かった だが会長の次の言葉に帳は再び顔色が青ざめる 「お前の所のもう一人の坊主が消えた」 「は?」 「蓮見があの坊主へ知らせにお前の家に行ったのだがいなかった 暫く待ったが帰ってくる気配はない上探しにいっても何処にもおらん」 会長の言う坊主とは浬の事で蓮見とは会長の秘書だ そしてその蓮見が家に行ったが浬がいないと言う 帳は慌てて浬の携帯、家の電話にかけるが出ない 取りあえず帳は急いで家に帰った 家は夜だと言うのに電気もついていない そして家の中をくまなく探すがやはり見つからない 焦燥感だけがジリジリと募っていく どうする?と心の中で問うもどうすればいいのか分からない 八尋が運ばれた病院へも急がなければいけないと言うのに すると後ろに誰かの気配がし持っていた銃を懐から出し振り返ると同時に銃口を向ける だがそこにいた人物を見て銃を下げる 「何のようだ」 「俺はただ知らせに来ただけだよ 浬は俺の元にいると」 「なんだと……」 帳の元に現れたのは浬を連れ出したルシェルだった わざわざここへ来たのは浬が突然消えて帳が焦っているだろうと思ってだ 勿論彼が何を言おうが浬を返すつもりはないが 「ここにいると浬は傷付くばかりだ あの少年のせいで重傷も負うし」 「まさか八尋を……」 「流石に浬がそれを許さないでしょ 安心しなよ彼にはなにもしてない」 ルシェルはそれだけ伝えると浬が待っているからと その場を立ち去ろうとする 「待て、浬を何処にやった!?」 「ナイショ!!君には関係ない」 「ふざけるな、待て浬を―――」 帳が言葉を最後まで言う前にルシェルは消え去った

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