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第48話

お粥でも食べようかと言うことでルシェルは外に出た そして扉の前で待機していたアンディにお粥を作るよう伝える 「かしこまりました」 アンディへ伝え終わるとルシェルは再び部屋に入る すると浬がベッドにいない 何処に行ったのかと辺りを見渡すとベランダに出ていた すぐに浬の元に行って後ろから抱きついて何してるの?と訊ねると、そしたら浬がうわっとビックリしたように声をあげた そんな浬が可愛くてルシェルはクスッと笑った 「外見てた どんなところかなって」 「どうだった?」 「綺麗なところ」 「そう、良かった」 今は夜で暗くてあまり見えないが風とそれに揺られる木々の音は心地よい それに自然の香りがふわっと鼻を刺激する 浬はきっと綺麗なところなのだろうと思ったから 綺麗なところとルシェルに答えた 「でも、そろそろ部屋に戻ろうか」 こんなに冷たくなってるとルシェルが浬の頬を手の甲で触れる ルシェルの手はとてもあたたかくて気持ちいい ルシェルは浬から離れおいでと手招きし 浬は言われるがまま部屋に入りベッドに戻った そして身体は大丈夫かと聞いてくる もう傷も殆ど癒えたし問題ないのにルシェルは凄く心配してくる 大丈夫だと答えればそうかと頭をよしよしと撫でる そう言えばルシェルは藜の事を知っていた そして会わせてあげようかと言っていた 藜は何処にいるのだろうか 「ねぇルシェル、藜は?」 「…………」 藜について聞くとルシェルの表情が曇った しかしすぐに笑顔を浮かべこう言った 「今はまだ会わせられない」 「どうして?」 「まだその時ではないから」 「その時……って?」 その時と言うのがどの時なのか聞いてもルシェルは答えてはくれなかった 代わりに苦笑いを浮かべる その表情の裏に何かを隠しているようで少しルシェルが怖いと感じた それでもやはり知りたい 藜が何処にいるのか、ルシェルが何を隠しているのかを 「ねぇ、教えてよ藜の居場所」 「ごめん……もう少し待って いずれ教えるから」 そう言ってルシェルは浬を抱き締めた そんなルシェルに浬は何も言えなくなった 暫く抱き締められたままでどうしようかと悩む浬 するとドアがノックされる音がした ガチャっとドアが開くと同時にルシェルは浬から離れた そして入ってきたのはアンディだ

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